紙に描かれた図面の利用
既に紙に描かれた図面・地図等を CAD で使用したいと思う事はたびたびあります。
紙の場合は、切り貼りしてコピーしてしまえば、それでOKなのですが、CAD の場合は
そうはいきません。
一般的には、スキャナで読み込んで、画像データとして
貼り付ければ済む場合もあります。しかし、スキャナで読み込んだ画像は、
CAD で描かれる線(ベクターデータと呼ばれます)とは性質が異なります。
初心者には、この違いがよく理解されませんが、画像・絵(ピクセルデータ)と
線(ベクターデータ)には、大きな違いがあります。
実は、絵をベクターデータに変換する処理は、コンピュータにとっては苦手です。
当然、苦手である変換を、うまく処理してくれるソフトは高価です。
高価な変換ソフトを購入できる会社はどうということはないですが、
JWW を使っている当社にとっては無縁です。
そこで安く又は無料で使用できるソフトを探して、なんとかしょうということになります。
ここではそんなソフトの紹介と操作手順を示します。
紹介するソフトは、
- BMP2MONO ベクター(http://www.vector.co.jp/)よりダウンロード可能
- ScanBmp6 ベクターよりダウンンロード可能
- WinTopo フリー版と有料版あり(professional)
http://www.wintopo.com/
注)変換してあげてから、よく文句を言われるのですが、図面・地図などに書かれた文字は、
残念ながら、文字とは認識しません。
たんなる曲線の集合として表現されます。
操作手順としては、
- スキャナで図形を取り込む。
- 図形をモノクロの画像に変換する。(白地に黒い線のみ。濃淡はなし。)
BMP2MONO を使用していますが、多くの画像編集ソフトで、この処理を行えます。
モノクロの変換例

- 図形の線を太さを総て1にする。(太い線・細い線の区別を無くし統一する。)
WinTopo 処理例 (ScanBmp6は自動内部処理)
線の太さに意味をもたせている図面は、分かり難くなる欠点があります。
線幅を1にした処理例

- 図形データを、線データに変換する。(ベクトル化する。=ベクタライズ)
WinTopo
ScanBmp6 ではモノクロ画像を一度でここまで処理してしまいます。
文字をベクタライズするのは苦手です。太い文字(漢字)が特に苦手です。見やすくするには、
スキャン時の解像度を上げることですが、すると、データ量が増え、計算時間がかかり、線の
データ数が増えるので、最終的なファイルサイズも大きくなります。
住宅地図などを取り込んで、図形と文字の両方を美しく見せるには、かなりのファイルサイズに
なります。
DXFファイルに変換した例
- DXFファイルとしてセーブする。
WinTopo
ScanBmp6(jw_cad ファイルにセーブ可能)
- JWW よりDXFファイルとして読み込む。
- 思い通りに変換されなかった部分は、最後に手作業で修正をかけると良いでしょう。
(これに凝ると思わぬほど時間をかけてしまいます。)

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