桜信州高山村



 山里の遅い春を彩るしだれ桜の古木。人々はなぜ、これほどまでに桜に心ひかれるのだろう。桜には何かが宿っているのだろうか・・・。人の心を揺さぶる「木の魂」に想いをはせ、「しだれ桜の郷」北信濃の静かな山里高山村を歩く


水中のしだれ桜
 水中の山すそ、月生城址の東麓字滝の入地籍に満開時には薄緋色の滝の如く咲きほこる。通称「水中のシダレサクラ」、地域では鹿島神社境内にあるので「鹿島のシダレ桜」ともよぶ。幹周約4メートル、樹高約22メートル、樹冠径約12メートル。勢いのある大樹。寛保2年(1742)の水害の後、屋敷神であった鹿島神を祀った。その際植えたとされ、樹齢は250年を越えている。社殿に「糸さくら隠れ平屋の神に咲く」―蒼風の句が懸かる。
水中のしだれ桜





坪井のしだれ桜 坪井のしだれ桜
 三郷地区にある。開花時には谷の林を背にして際立つ。樹高約10メートル、幹周約8メートル、根元の直径約4メートル。樹冠約16メートル。樹齢は村一番で、500年か。樹下の墓碑に寛永と見えるものがあるので、固く踏んで400年に近い。親木とみられる2本の樹幹、根元からその子が育ち、孫やひ孫が株立つ。石川県巨樹の会による「日本彼岸桜見立番付」では西小結。老樹の気品をもつ。





二ツ石のしだれ桜
 二ツ石地区のはずれにある。樹高約5メートル、幹は落雷で空洞、子供なら2〜3人入れる。樹冠約10メートルの笹形の枝張り。樹下に庚申塔と馬頭観音碑が祀られる。馬頭観音は天保(1830)の年号、それより古そうな庚申塔には「二ツ石中」とある。二ツ石は新田村なので村の成立がわかる。それに一番近い庚申年が1800年、この時庚申を祀り村の安泰を記念して植えたとして約200年の樹齢。まさに祈りのこもった記念樹。
二ツ石のしだれ桜





黒部のエドヒガン桜 黒部のエドヒガン桜
 黒部の樋沢扇状地部の山合いの里。集落の南の水田地帯の一角にある。古村跡ともいわれる。幹周約7メートル、樹高約13メートル、樹冠15メートル。黒味のある主幹が2本、1本は垂直、他は斜めに伸びて枝がはうように広がる。花の赤みが濃く、訪れる写真マニアが多くなっている。水田地帯の中の独立樹。樹下に「十二宮」が祀られている。


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