岩田修二の市議会ニュース   2010年1月

民主・社民・国民新党による連立内閣が誕生して昨年1225日で100日が過ぎました。アメリカでは政権が変わった後から100日の間は、ハネムーン期間と言われ政権運営に対する猶予期間とされています。一般に言う「お手並み拝見」的な期間なのかもしれません。しかし、日本ではこうした考え方があまり一般的ではないようで、直近のマスコミ各社の世論調査では鳩山連立内閣の支持率が、発足当時70%台であったものが50%を割り込む結果となっています。

 ただ、マスコミ報道の仕方にも問題は無いのかとも思います。民主党は総選挙で「民主党の政権政策」を掲げ、国民から圧倒的な支持を受けて政権を担当することになりました。ところが、国民に約束した政策の実現がすぐに実行できないとなると、それ見たことかと、よってたかって攻撃する。まるでいじめっ子のような言動に、違和感を感じないわけではありません。

 景気の回復が思うに任せない状況の中で、国の新年度予算の議論が始まろうとしています。鳩山連立内閣には、自民党政権時代には出来なかった「暮らしのための政治」の実現に向けた更なる奮闘を期待しています。

12月定例会の報告
須坂市議会12月定例会は、1127日から1218日までの22日間開かれました。提案された議案の主なものは、須坂市技術情報センターの指定管理者の指定について、ごみ処理の有料化に伴う条例の一部改正、峰の原自然体験センターを廃止する条例等と各種会計の補正予算でした。

家庭ごみの全面有料化7月から実施

大袋(30リットル) 30円 小袋(15リットル) 15

 粗大ごみ1個 50

 200810月に「ごみ減量化専門委員会」からの提言を基に、市長がごみ処理の有料化について環境審議会へ諮問し、答申を受けて有料化を決めたものです。

 環境審議会答申の要旨は、

 @市が収集運搬処分する家庭系可燃、不燃、粗大ごみの処理料について、シール制を廃止し有料化の制度構築を図ること。

 A可燃ごみ、不燃ごみは、減量への動機づけが得られる1リットル当たり1円を基本とし、粗大ごみについては、シール貼付とし、150円程度とする。

 B継続的に減量効果を維持していくため、制度の検証をし、5年を目安に見直しを。

 C古布類、陶磁器類について分別収集、再資源化を実施するとともに、各家庭、地域での生ごみの再資源化の取り組みをしてください。

 D有料化の実施にあたっては、生活弱者等の減免措置、不法投棄対策、生ごみ堆肥化の奨励補助等関連する諸施策を柔軟かつ継続的に実施してください。

 E市民の理解と協力を得るため、十分な説明と市民の意見を聞く機会の確保、周知・準備期間をしっかり取ること。

 Fごみ手数料の収入使途についても、ごみ処理施設の充実・更新、周辺環境整備に充当する制度(基金の創設等)なども検討いただきたい。

 

 市民への説明は、昨年6月から9月にかけて市内全町で行われ、全世帯の16.6%の参加があったと報告されています。

 有料化の具体的方法は、可燃ごみ指定袋30リットルの大袋の場合、現在の20枚入り小売価格は273円ですが、7月以降は600円が上乗せされて873円で販売されることになります。また、今使っている指定袋が余っていても7月以降は一袋につき30円(小袋15円、粗大ごみ50円)の須坂市発行の収入証紙を購入し、袋に貼り付ければ使用できることになります。

 市担当課では、7月からの実施に向けて再度市内全町で説明会を計画しています。

峰の原高原自然体験センター廃止 3月末で

代替施設は、「長野県須坂青年の家」に

 終戦後間もなく、市内小学生の自然体験施設として菅平高原に設置された、いわゆる「保養所」に代わり昭和43年に現在地に建設された「峰の原高原自然体験センター」が、施設の老朽化、行政改革を理由に廃止されることに決まりました。

 この施設は、市内小中学校児童・生徒が自然の中で、野外活動を通じて友達ときずなを深める貴重な体験の場になっていました。また、利用者は児童・生徒だけでなく一般の皆さんも年間400人程度利用しています。

 市の説明では、老朽化に伴う改修工事やトイレの水洗化工事などに2,000万円程度必要で、年間の管理費も500〜600万円必要になるとのこと。改修工事費や維持管理費を利用料で回収することは難しいと判断したというものです。

 施設の廃止に伴う教育面での影響については、夏の小中学生自然体験学習を須坂青年の家で行えば、施設利用の関係で従前の23日が12日に縮小になってしまう。教育カリキュラム上問題は無いのかとの質問に対して、担当が違うのでわからないと曖昧な答弁になっています。いずれにしても、この種の施設はただ単に経費面だけで廃止の判断をするのはいかがなものでしょうか。

岩田修二の一般質問と答弁   要旨

●平成22年度予算編成に向けて(市長答弁)

質問 「持続的発展可能な須坂市」とは、貯金を増やし、借金を減らすことではないと思う。市長が目指す「持続的発展可能な須坂市」実現のためのキーワードは何か。

答弁 自主・自立性をもって市民と行政が参画・協働のもとにまちづくりを行っていこうとするもので健全な財政基盤の確立が基本。

質問 予算編成方針に記載されている、経済情勢と財政見通しの判断は適切か。

答弁 経済情勢については、政府の月例経済報告、市内企業の動向調査、管内の有効求人倍率等で判断しており、財政見通しについても国・県等の情報を収集したなかで見通しを立てている。

質問 外部評価委員による外部評価結果を新年度予算にどう反映させるのか。

答弁 新年度予算の参考として、反映できるものは反映させていく。

質問 「みんなで考える事業」での市民の意見をどのように活用させていくのか。

答弁 意見・提案を参考に、市の考えを広報等で公表し、事業や予算へ反映させていく。

 

●「公共サービス基本法」施行を踏まえて(総務部長答弁)

質問 「公共サービス基本法」制定の意義は何か。

答弁 国または地方公共団体が行う公共の利益の増進のための行為で、国民が日常生活や社会生活を円滑に営むために必要な需要を満たすものと理解している。

質問 公共サービスの実施に従事する者の、適正な労働環境の整備についての具体策は。

答弁 委託事業者に対しては、須坂市民間活力導入指針に基づき、法令等による基準や制約等の規定に適合しているかどうか、社会的に適正な雇用水準が確保されているかどうかを検証し、問題がある場合は見直しや改善を求めていく。

質問 市が進めようとしている「学校給食センター民営化」「須坂南保育園の閉園」「市立保育園の統廃合計画」等について、「公共サービス基本法」に照らしてどのように説明が行われ、方策を講じているのか。

答弁 学校給食センターについては、経費の削減を見込み、サービスの向上を目指しながら効率的運営を行うものと説明してきた。保育園については、多様化する市民の皆さんの要望に的確に対応したサービスが提供できるものと考えている。

 

●人権同和教育について(市民共創部長答弁)

質問 部落差別をはじめとするあらゆる差別をなくす取り組みは、国民全体の課題であることはいうまでもない。とりわけ部落差別は歴史的経過からしても、行政の責任における取り組みは重要な課題だ。学校の人権教育と町別人権同和問題学習会の実施内容について伺う。

答弁 学校では「人権同和教育指導計画」を基に進めており、毎年2校を人権同和教育推進校にお願いし実践している。町別人権同和問題学習会は全市民を対象とし、区・公民分館主催で年2回開催の計画で進められている。

質問 全市民を対象にした市民意識調査を実施し、今後の具体的方策を講ずるべきではないか。

答弁 市民の考えを知るうえで、市民意識調査は欠かせないものであり、前回調査より10年が経過しているため、人権同和問題を解決するうえでも実施していかなければならないと考えている。

いきいきすざか 新世紀創造計画・実施計画

平成22年度〜平成24年度の事業実施計画

キーワードは 「安心・安全」  「元気」  「交流」

 

 県や市町村では、それぞれの自治体ごとにまちづくりの理念や将来像を設定し「基本構想」としてまとめ、その目的を達成するために「基本計画」を、その基本計画を年毎に具体的に予算も含めて計画するのを「実施計画」として発表しています。

 この実施計画は、3年間の計画をまとめたものですが、財政状況の変化等により毎年見直しが行なわれています。また、基本的には、500万円を超える大きな事業については実施計画に計上してから行うことになりますが、須坂市の場合には突然、国の補助が受けられるようになった事業等、実施計画に計上されていない事業も行なわれています。裏返してみれば、財源保障の無い事業は後回しになってしまうということです。

具体的な事業実施計画(抜粋)

◆安心できる福祉  歩道段差解消事業(市道高甫南原線、太子町線)(H22-24) 7,000万円

◆子育て支援    福祉医療費給付事業(H22-24) 2,760万円

学校給食センター業務運営委託(H22-24) 28,800万円

◆小学校校舎の耐震化・大規模改修

井上・高甫(耐震)仁礼・豊丘(大規模改修)(H22-24) 49,630万円

◆保育園施設整備  仁礼・夏端、高甫、井上・千曲保育園(H22-24) 85,700万円

◆工業・就業支援  企業立地振興事業(H22-23) 3,980万円

             産業コーディネート・アドバイス事業(H22-24) 2,790万円

◆商業・観光     蔵のまちツーデーウオーキング大会開催(H22-24) 600万円

             峰の原高原クロスカントリーコーストラック整備(H22) 1,900万円

◆農 業       ぶどう・りんご新品種導入事業(H22-24) 480万円

             農産物加工施設整備補助(H22) 5,250万円

◆生涯健康づくり  健康増進プロジェクトの推進(H22-24) 2,520万円

◆生涯学習の充実 文化会館施設整備(H22-24) 4,940万円

             市誌編さん事業(H22-24) 5,510万円

◆地域コミュニティの活性化 花と緑のまちづくり事業(H22-24) 2,130万円

              動物園施設(遊具など)整備事業(H22-24)2,610万円

              公共交通活性化・再生事業、バス等運行委託事業ほか

(H22-24) 11,330万円

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