平成16年  9月定例会


 プロ野球オリックスと近鉄の合併問題に端を発した、経営者側と選手会側との対立はついにストライキへと発展してしまいました。巨人軍前オーナー渡辺恒雄氏の「たかが選手」発言に、選手会側が大いに発奮したのかもしれません。最終的には選手会側の要求が取り上げられたことにより、とりあえず決着しましたが、今後「労働組合プロ野球選手会」の発言力が強まるかもしれません。今回の「ストライキ」に対するプロ野球ファンの反応は色々、評論家も色々。私は、自分自身を守るために立ち上がったプロ野球選手会に称賛の拍手を送ります。

 ちなみに、須坂市高山村との合併は住民アンケート結果で高山村での合併反対が多数であったためご破算に、任意合併協議会も9月30日で解散しました。(住民アンケート結果は、市報9月号をご覧ください。



 9月定例議会は、8月31日から9月24日までの25日間開催され、主に平成15年度決算認定の審査が行われました。一般質問は17議員がおこないましたが、決算議会にもかかわらず、決算・財政問題に触れた議員は6議員だけでした。

平成15年度会計決算の状況(一般会計)

性 質 別

決算額 千円

前年比%

構成比%

前年度構成比%

説    明

消費的経費

人件費

4,788,804

101.24

26.11

23.86

給料/退職金/報酬等

物件費

2,332,500

100.98

12.72

11.65

 

維持補修費

163,764

98.26

0.89

0.84

市施設の補修費

扶助費

1,674,394

113.48

9.13

7.44

福祉給付金/保護費

補助費

1,342,113

101.43

7.32

6.67

各種補助金

小計

10,301,575

102.96

56.16

50.46

 














性 質 別

決算額 千円

前年比%

構成比%

前年度構成比%

説    明

投資及びその他

建設事業費

1,924,389

45.19

10.49

21.48

 

公債費

2,313,182

99.98

12.61

11.67

借入返済金

積立金

707,050

230.09

3.85

1.55

新たに貯金した額

貸付金

1,180,435

91.83

6.43

6.48

 

繰出金

1,868,656

116.18

10.19

8.11

特別会計への支出額

出資金等

48,831

99.50

0.27

0.25

 

小計

8,042,543

81.88

43.84

49.54

 

合計

18,344,118

92.52

100

100

 

歳入総額     18,882,632千円    16年度への繰越額  538,514千円

ちなみに、平成14年度の繰越額は517,207千円でした。

この他の統計数字を算出してみました。県内17市との比較順位です。

予算支出額

納税額

積立金

借金残高

人件費

338千円 17位

103千円 16位

84千円 11位

390千円 14位

88千円 2位

571千円 飯山市

151千円 松本市

214千円 飯山市

647千円 飯山市

96千円 飯山市

338千円 須坂市

91千円 飯山市

45千円 松本市

335千円 佐久市

55千円 上田市

(市民1人当たりに換算 上段須坂市数値と順位、中段最高値、下段最低値と各該当市)



一般質問と答弁  要旨

平成15年度決算について(総務部長答弁)

 質問 繰越金は必要だが、昨年より増えている。財政が厳しいと説明しているが、市民にはどう説明するのか。

 答弁 最近では4億円から5億円程度生じているが、決算総額の2%台であり適正と考えている。不用となる予算は残すよう徹底を図っている。

 質問 繰越金をただ積み立てるのではなく、法律で認められている限度の処理をすべきでは。

 答弁 積み立てなければ、今後の財政運営に大きな影響を及ぼす懸念があり、厳しい財政状況であるからこそ積み立てたものである。

 質問 市税の収納率が年々低下している、具体的対策をしているのか。

 答弁 財産差押さえを積極的に行い、更に、平日の夜間納税窓口、休日窓口を毎月開催し収納率の向上に努めてきた。

 質問 多額の不用額や執行率が低いものの予算を残すのでなく、他の事業等への有効活用は考えられないか。

 答弁 予算化されていても節減できる経費については不用額とするよう徹底を図っている。予算の執行率を重視するのではなく、事業の成果で判断すべきと考えている。

市施設の民間委託・民営化について(市長答弁)

 質問 公的責任をどう確保するかを前提に、市施設の運営の基本方針は何か。

答弁 行政による公共サービスの提供という役割は、原点に立ち戻って整理すべき時期に来ている。貴重な税金を有効に活用しながら、行政の責任を果たすためには公共サービスについて、行政と民間をコストやサービスの質で比較する、民間委託や民営化の検討は避けて通れない。

 質問 「寿楽園」の民間移譲計画は、国の制度が定まらない中で拙速ではないか。

 答弁 施設整備の国庫補助が厳しくなっている状況を見極めた結果である。

 質問 保育所の統廃合計画と民営化計画をどう関連付けるのか。

 答弁 統廃合は必要、民営化についても公立保育園の「民間譲渡」や民間による新設の促進を含めた検討が必要。現在の統合計画についても見直しが必要か検討したい。

放課後児童対策(教育次長答弁)

 質問 地域子ども教室推進事業の取組状況は。

 答弁 本上町にある「しらふじ」を主会場に教室を開講している。

 質問 児童センターや児童クラブの設置されていない森上、日野地域の対策をどうするのか。

 答弁 市内どこの地区からでも参加いただけるのでご理解いただきたい。

合併問題(市長答弁)

 質問 合併に関する住民アンケート結果をどのようにとらえているか。

 答弁 合併議論について、ひとつの方向性を見出すことが大変難しい課題であったことを実感した。市民の須坂市への思いや意見、提言は、大きな励みになった。

 質問 「新市将来構想」にある「まちづくりの基本方針」をどのように実践していくのか。

 答弁 須坂市総合計画に可能な限り活かしていきたい。



常任委員会の報告

総務文教委員会(所管する部:総務部・消防本部・教育委員会・監査委員会・会計課・議会事務局)

  事件決議1件、決算3件、補正予算3件、請願5件の審査が行われました。

  事件決議は、峰の原高原に須高ケーブルテレビが光ケーブルを整備するために峰の原高原の総合整備計画を変更するものです。

  補正予算は、一般会計繰越金の確定によりその一部1億7500万円を財政調整基金に積み立てるもの、高甫小学校体育館改築にあたりミニ公募債を発行するための費用が主なものです。

  請願5件は、全て私が紹介議員として請願趣旨の説明を行い、委員会ではいずれも採択すべきと決まりました。



福祉環境委員会(所管する部:健康福祉部・市民生活部)

  決算5件、補正予算4件、陳情1件の審査が行われました。

  補正予算は、障害者支援費サービス事業費の増額、「すこう福祉会」が整備する施設整備費補助金、「夢工房」が整備する知的障害者通所授産施設整備費補助金、須高地区内に建設するごみ最終処分場の選定委員会に要する費用の他、各種決算に伴い負担金を減額するものです。



経済建設委員会(所管する部:まちづくり推進部・経済部・農業委員会・水道局)

  市道認定1件、条例1件、決算6件、補正予算6件、請願2件、陳情6件の審査が行われました。

    補正予算は、道路補修修繕費用の増額、観光協会へ観光プロデューサーと補助職員を配置するための補助  金、下水道事業国庫補助金確定による事業費の減額が主なものです。



「三位一体の改革」って何

「三位一体」とは

「父なる神、子なるキリスト、聖霊の三者は、等質で不可分」とするキリスト教の説 

 政府は、慢性化している財政赤字を地方へ転嫁するため「三位一体の改革」と銘打って、平成16年から3年計画で「改革」?を進めています。しかし、地方自治体にとっては「三位一体」とは名ばかりで国と地方の不平等を更に助長するばかりでなく、自治体間の貧富の差が益々増大するような内容になっています。

 多くの地方議会では、再三にわたって本当の意味での「改革」を実現するために国に対して意見書を提出しており、須坂市議会でも「地方分権推進のための国庫補助負担金改革案の実現を求める意見書」を提出しました。

 不平等な「三位一体の改革」の内容

 この改革は、「国の補助金等の削減」「国へ納めている税金を地方へ振り替える」「国が地方の財源不足分を補っている、地方交付税を削減する」の三つを同時に行うことから「三位一体の改革」と呼ばれています。平成16年度は、国の補助金と地方交付税の大幅な削減が行われたにもかかわらず、税金を地方へ振り替えることが十分行われなかったため、多くの自治体は財源不足になり深刻な財政危機になっています。したがって、本当の改革を実現させるためには「確実な税源移譲」と「地方交付税による確実な財政措置」が必要不可欠になっています。


現在、住民生活に密着する行政のほとんどは地方自治体が実施していますが、お金のかかる事業は国の補助金がなければ進められません。しかし、補助金は国の関与が強く多くの制約もあります。したがって、地方分権と地方の財源確保は地方自治体の大きな課題です。

(地方行財政の自律を実現し地方自治を確立する長野県民会議資料から抜粋)



こんなことがありました

イラクに自衛隊は本当に必要なのか

 須高地区労組会議から9月定例市議会へ「自衛隊のイラク多国籍軍からの離脱を求める意見書採択を求める請願」が提出されました。私が紹介議員になり総務文教委員会で趣旨説明をしました。委員会審査では、賛否の意見がわかれ採決の結果、賛成4人、反対3人となり、採択すべきものとなりました。

 請願については、本会議においても採決が行われることになっており、議会最終日の本会議において採決の結果、賛成9人、反対14人で不採択となってしまいました。

 イラクに大量破壊兵器の存在が否定された状況下で、なぜ自衛隊が「多国籍軍」の一員として活動しなければならないのかわかりません。須坂市議会の良識が問われる出来事ではなかったかと思い残念でたまりませんでした。



戻る