6月定例議会 

  

 「太平洋戦争を知らない 38%」、朝日新聞社が6月25日、26日に行った世論調査の結果が新聞に掲載されていました。この調査では他にも、「戦争について何を通じて知ったか」の問いに、「自分や身近な人の体験 35%」「学校教育 29%」「本や映画 15%」となっています。更に、「戦争を伝えていきたい」と思っている人は8割を超えているとの結果を伝えています。

 戦後生まれの世代が7割を超え、戦争体験を語り継ぐ世代が高齢化していくなかで、「太平洋戦争」そのものが風化させられていくような気がしていました。そんな思いを払拭してくれたのが、8割を超える人が「戦争を伝えていきたい」と思っているその気持ちです。

 戦後60年。節目かどうかわかりませんが、「戦争」にまつわる話題が頻繁にマスコミに登場しています。私たちは何が「是」、何が「非」なのか正しく判断しなければなりません。私は、「正義を守るための戦争」「平和を守るための戦争」などというものは、絶対ありえないと思っています。

 

 

議案等の審査から 

 

 6月定例議会は、6月9日から24日までの16日間開かれ、市が50%以上出資している「湯っ蔵んど」「文化振興事業団」「土地開発公社」「須坂温泉」の決算・予算の報告をはじめ、条例案9件、補正予算案3件などの審査が行われました。

 

市施設管理に指定管理者制度を導入

福祉会館、第1勤労者研修センター

地域人権交流施設は管理者を公募

 

 市施設の管理は、市が直接職員を配置して管理するか、公共的な団体(民間を含む)に管理を委託する方法がありましたが、地方自治法が改正され、平成18年9月からは団体であれば誰もが参入できることになりました。これを「指定管理者制度」と呼んでいます。地方自治体は、公共施設を直接管理する方法と、指定管理者制度に移行させるかを選択することになり、今までの管理委託方式はなくなることになります。

 市の方針は、現在管理委託している施設については、原則として指定管理者制度を導入する。直営の施設についても制度の導入を積極的に検討する。新しい施設についても制度を積極的に導入する。としています。

 また、法律上指定管理者は原則「公募」によることとされていますが、議会への説明では、指定管理者制度へ移行を予定している施設は25施設、内現在の管理受託団体を指定管理者とする施設が19施設、公募により指定管理者を決める施設が6施設となっています。ただ、なぜ6施設を公募するのか、他の施設と比べても明確な理由がありません。

 指定管理者制度は、民間感覚による施設の運営が可能になり、施設の運営経費が安上がりになるとされています。都会のように受託団体の選択範囲が広ければ効果があるかもしれませんが、小都市では経費の削減につながるのか疑問が残ります。私は、市民サービスを完全に確保するうえからも市の施設は全て直営で運営すべきと思っています。







 

岩田修二の一般質問 

  要 旨

 

●第四次須坂市総合計画後期5カ年計画(市長答弁)

質問 前期5カ年計画の総括は、いつ、誰が、どう総括されているのか。

答弁 最終的な総括は18年度に行うが、人口の減少、財政状況の悪化、国が進める「三位一体改革」等計画策定段階で想定できなかった大きな変化あり、その状況を市民と行政が力をあわせてどう解決するかが、後期基本計画の大きなテーマになる。

質問 総合計画は新しい須坂の創造そのものである。その策定にあたっての市民参加の考え方は。

答弁 市民参加のワーキンググループ「117(いいな)人会議」を設置し、分科会を設け各分野における課題をテーマに、課題解決のため何をすべきか議論いただき、提言を計画に反映させていきたい。また、地域づくり市民会議や、すでに設置されている市民参加による委員会等の意見も参考にし、市民がまちづくりへ参加する機運を高めていく。

 

●行政運営について(市長答弁)

質問 職員人事に対する考え方を伺いたい。

答弁 人事配置を行う場合は、公平・公正と、より適材適所を大原則とし、今までの経験・専門的知識・勤務成績評定により、勤務実績・職員の自己申告・資格・免許などを総合的に判断し、より職員の能力が発揮できる人員配置を行っている。

質問 市役所が不夜城のように、ほとんど毎日遅くまで庁舎内の電気がついている状況を把握しているのか、その対策について検討したことがあるのか。

答弁 個々の職員については、所属の管理職が実態を把握しているが、部課長会において、一人の職員に事務が偏ることのないよう、適正な業務の分担や事務事業の見直しについて、管理職の責任においてお願いしている。

質問 市民には厳しい財政状況だからと我慢を強いておいて、理事者の都合がいいとの理由で課の配置換えを行い150万円も支出した、その感覚が許せない。

答弁 間仕切りの変更・電気・電話・課名表示板・防災行政無線等の移設料であり、その執行に当たっては、地方自治の本旨に沿い、最小の経費で最大の効果が得られるよう行っている。

 

●指定管理者制度について(総務部長答弁)

質問 現在直営で管理している施設を、指定管理者に移行する理由は何か。公共サービスの質と水準を確保するためには直営管理にすべきと思うが。

答弁 大切なのは、利用者に満足いただけるサービスが提供できるかであり、判断基準は、どちらが税金をより有効的に活用できるかである。

質問 指定管理者を公募する施設の公募する理由は何か。

答弁 施設が貸館的な利用が主であり、管理する者を特定する必要がないと判断した。

質問 制度の導入にあわせて、ディサービスセンター等を民間に移譲するとなっている。「寿楽園」に続く民間移譲の方針は福祉の切捨てではないか。

答弁 民間社会福祉法人は様々なノウハウにより事業展開し評判も良いことから、市の管理委託方式ではなく譲渡により、独自のアイデアを活かしサービスの向上を図っていただきたい。

 

●個人情報保護について(総務部長、市民生活部長答弁)

質問 住民基本台帳の大量閲覧制度の運用についてお尋ねしたい。

答弁 閲覧に関する規則・要綱等は作成していない。閲覧用リストの様式については、行政区の組毎・住所・世帯主氏名・続柄の順で打ち出している。リストを悪用した事件も発生しているので、家族関係など容易に判読できないような閲覧用リストの作成を検討したい。

質問 国勢調査に伴い、調査員に対する個人情報保護の徹底方法をどうする。

答弁 調査の正確性を期し、個人情報保護を図ることはもちろん、全ての調査事務が万全に行われなければならないため、調査員・指導員の事務研修会を開催し、指導と徹底を図っていく。

 

 

 

 

 

市出資法人の決算

須坂市文化振興事業団  繰越金    42,300,505円

須坂市土地開発公社   当期純利益   4,453,298円

須坂健康福祉ランド    当期純損失  55,047,160円

  須坂温泉         当期利益   10,127,665円

 

 地方自治法第243条の3第2項の規定により、資本金、基金等の1/2以上を出資している法人については、毎年経営状況を説明する書類を議会に提出しなければならないと決められています。須坂市では、上記の4法人が該当します。

 財団法人須坂市文化振興事業団

 メセナホール、笠鉾会館、クラシック美術館、版画美術館、人形博物館、歴史的建物園の管理運営を受託しています。各施設ごとに独自の企画により、地域文化の振興に努めており、総体的な入館者数は前年度を上回ったとの報告でした。

 財政的には、須坂市からの施設管理委託料、補助金収入が約75%を占めています。

 

 須坂市土地開発公社

 昭和49年に設立された100%出資法人で、公共用地、公用地等の取得、管理処分等を行うことを主な業務としています。例えば、都市計画道路計画線上の土地を先に買収し、秩序ある整備を推進する等、須坂市の将来整備計画にとって重要な役割を果たしています。先行取得した土地については、貸付等の運用が認められているため、土地貸付料が主な収入となり利益が生じています。

 

 株式会社須坂健康福祉ランド

 年間入館者は、283,028人で前年比90.9%、総売上高も前年比4,038万円減の大幅な減少となり、当期損失5,504万円を計上、累計で約860万円の債務超過(累積赤字が資本金を上回っていること)になりました。市では、今年1月「湯っ蔵んどあり方懇話会」を設置して運営等全般にわたる検討を要請し、3月に提言を受けています。しかし、「湯っ蔵んど」の再建には課題が多く前途は多難といわざるを得ません。市民の福祉施設が市民のお荷物にならないようにしなければなりません。

 

 株式会社須坂温泉

 昨年5月に大浴場、コンベンション棟の改築により、積極的な営業展開を行なった結果、旅館売上をはじめとする純売上高は前年比106.2%となり、当期利益は1,012万円を計上しています。決算報告では、旅館の売り物である環境・施設・料理そしてサービスを見直し、お客様の価値観の変化に対応できるよう経営改善を図っていく。として、更に経営努力を重ねる決意を表明しています。

 

 

ちょっとした出来事  「消費税の増税に反対する請願」

委員会では不採択  本会議では採択

  

 新日本婦人の会須坂支部他4団体から「消費税の増税に反対する請願書」が提出され、その審査を総務文教委員会に付託されました。紹介議員は、自由クラブ、市民21、政和会、日本共産党のそれぞれの会派の代表がなっていました。委員会での議論では、「採択して政府に反対の意思表示を明確にすべき」との意見と、「政府の方針が明確になるまで待つべき」との意見に別れ、採決の結果継続審査となりました。

 最終日の本会議で、継続審査について採決され賛成少数で継続審査が認められませんでした。そこで、改めて委員会を開催し採決の結果不採択となってしまいました。その結果を本会議に諮ったところ、不採択に賛成の議員が少数となり、結果的にこの請願は採択となり、国会並びに関係大臣に意見書を提出することになりました。須坂市議会では前例がなかったとのこと。私は、委員会でも採択すべきとの主張を繰り返し訴えました。




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