岩田修二

            議会活動報告           06年1月


姉歯元一級建築士による耐震強度偽造問題は、地震国である日本中を震え上がらせています。建築コストが安くしかも工期が極端に短くて建てられた建物に共通して、震度5以上の地震が起これば確実に崩壊するとの事。東京では複数のマンションが耐震不足で、そこに住んでいる住民に対して退去勧告まで出されています。長野県内でも、松本市駒ヶ根市のホテルが営業休止に追い込まれ大きな社会問題化しています。

 一昨年の「中越地震」以降、自治体における地震対策が大きな課題になってきています。須坂市においても公共施設の耐震診断と耐震補強工事は緊急の課題で、特に昭和30年〜40年代に建てられた小学校、保育園、市庁舎は早急な対応が迫られています。

 須坂市は、今検討中の後期基本計画(平成18年度〜22年度)で、新しい建物は作らずに今ある建物を補強、修繕して建物の延命を図っていくとの方針を打ち出しています。

 人間の生命・財産を守る。そのことが最優先される行政が、財政難との理由により後回しにされかねない状況になってしまいそうです。今後5年間大規模な地震が起こらないことを祈るばかりです。

 

12月定例議会の報告 

 

 12月定例会は、11月30日から12月16日までの17日間開かれました。主な内容は、公共施設の管理を指定管理者制度に移行するため、指定管理者を指定する議案が13件、市施設を無償で民間法人へ譲渡する議案が3件、条例10件、補正予算等でした。

 

観覧料無料化を60歳以上から70歳に引き上げ

くつろぎ荘入浴料 100円に 永楽荘も

 条例の主なものは、指定管理者制度に移行するための改正に併せて、文化振興事業団が管理している、版画美術館、世界の民俗人形博物館、クラシック美術館、笠鉾会館の観覧料無料化について、現在の60歳以上からを70歳に引き上げることが決まりました。また、老人福祉センターくつろぎ荘についても、今までは全て無料で利用できたものを、入浴施設を利用する場合に入浴料を納めなければならなくなります。

 これらの改正は、市長が進めているパブリックコメント(政策について広く市民の意見を聞くこと)により出された意見を取り入れたものと説明されています。いずれも新年度から実施されます。

 

 

勤労者生活資金融資利子補給金増額

 補正予算では、景気に明るい兆しが見え始めたことにより、勤労者生活資金融資が増加しているため、融資枠を増額し勤労者の要望にこたえることになりました。この勤労者生活資金融資は、労働金庫が窓口となって、市内在住の勤労者であれば誰でも融資を受けられるもので、須坂市が利子の一部を補填している制度です。

 補正予算の主なもの   一般会計補正額 2億1,674万1千円

新たな介護予防事業を実施するための筋力向上トレーニングモデル事業の導入  167万4千円

臥竜公園弁天橋橋板取替え工事等   97万1千円

廃食用油リサイクル化、生ごみ堆肥化、エコカフェ事業   1,091万円

テキスト ボックス:  須坂小学校校舎第二次耐震診断   1,100万円     

市役所庁舎の耐震診断等   1,057万1千円      

 

 

峰の原高原地区の児童生徒は?

 小県郡真田町上田市の合併に伴い、峰の原高原地区の児童生徒の教育を上田市に委託するための議案が提案されました。

 提案説明では、昭和48年から菅平小中学校に児童の教育をお願いしているが、法律に基づく委託契約が結ばれていないことがわかったため、真田町の合併を期に新たに上田市と正式に教育事務の委託契約を結ぶものと説明されました。

 この議案を審査した総務文教委員会では、過去32年間も法的手続きをしてこなかったことに対し、教育委員会は峰の原高原地区の児童生徒をどう扱ってきたのかと言うような厳しい意見と、道義的責任をどう思っているのか等の意見が出されました。

更に、菅平小中学校に通学されている、峰の原高原の児童生徒の皆さんに、須坂に対する郷土愛がどのくらい育っているのか。近い将来、菅平中学校が真田中学校へ統合するような事態が起こった場合はどうするのか、と言ったような児童生徒を心配する意見も出されました。

今後教育委員会は、この総務文教委員会の議論を真摯に受け止め、峰の原高原の児童生徒と須坂市内の児童生徒との交流や、教育委員会と保護者との懇談等を積極的に行い、須坂市民として十分な意思疎通を図らなければならないのではないでしょうか。

 

廃止代替バス(相之島線、明徳団地線、米子線)は、継続運行に

一般質問で私を含め4人の議員が取り上げたことや、地域づくり市民会議での意見を参考に、交通体系についての総合的な研究会を立ち上げることになり、来年度は継続運行になりました。

岩田修二の一般質問と答弁  要 旨

●「みんなで考える18年度事業」について(市長答弁)

 質問 今ある公共施設を安全に長期にわたって使用することについての提案は、やむをえない選択と思うが、補強工事の施工順序は小学校校舎や保育所を最優先にすべきではないか。

 答弁 中越地震の教訓から、災害時に対策本部となる市庁舎や避難所等を優先する。

 質問 マレットゴルフ場の整備について様々な噂が飛び交っているが、どのような計画なのか。

 答弁 緑地公園の右岸左岸に混在しているコースを左岸に移し、右岸はもっぱら散歩やランニング等に利用していただければと提案した。

 質問 今回の提案の中で、再検討を要する事業と、反対意見についてはどう処理するのか。

 答弁 提案した事業をよりよいものにしていくために、反対意見も含めて、いただいた意見を参考に、全ての事業について再検討していく。

 

2005年人事院勧告について(総務部長答弁)

 質問 人事院勧告による2006年以降の職員給与制度改正の内容はどのようなものか。

 答弁 給料月額の平均4.8%引き下げと地域関連手当の拡充、新たな昇給制度の導入、給与構造改革を5年間かけて実施するよう求めている内容。

 質問 須坂市財政への影響は。

 答弁 一般職員の人件費は、ほぼ横ばいで推移すると考えている。

 質問 個人消費を中心とした地域経済に与える影響をどう見ているか。

 答弁 消費に係る地域経済に与える影響は少ないと思う。

 

●学校給食を自校方式に転換することについて(市長答弁)

 質問 須坂市における学校給食センター化は比較的早い時期に導入されたが、県内の自治体ではまだ半数程度にとどまっている。食育基本法の成立、地産地消の推進、更にはセンター施設の状況を総合的に判断し、この際学校給食を自校方式に順次転換すべきではないか。

 答弁 自校方式にするためには、小・中学校にそれぞれ給食調理室を建設しなければならないことと、職員の大幅増員も必要になることから、自校方式への転換は考えていない。

 

●保育所の整備充実について(市長答弁)

 質問 産休開けの0歳からの保育を希望する保護者が増えている。保護者の要望にこたえるためにも、全ての公立保育所に0歳児受け入れ施設を整備すべきではないか。

 答弁 0歳児保育の拡大については、各保育園で施設整備をするということではなく、統合保育園等の整備にあわせて実施していく。

 質問 見通しの立たない保育所の統廃合計画を白紙に戻し、現施設の整備充実を図るべきと考えるが。

 答弁 保育所あり方懇話会において、現在の統合計画の課題等の協議をしていただいている。この懇話会からの意見を踏まえて、統合計画の見直しについて具体的な検討を進めていく。

 質問 保育士の配置基準について、どのように検討されいつ答が出されるのか。

 答弁 保育所あり方懇話会において現行の配置基準は緩和すべきとの意見をいただいた。また、現場の保育士からの意見もあることから、18年度予算編成の中で更に検討していく。

 

2006年度(平成18年度)市政要望を提出

 私が所属する市議会会派「市民21」は、市長に対し新年度予算編成に向けての市政要望を提出しました。財政難を理由とした消極的な施策の選択ではなく、「市民のしあわせと街の輝き」をもたらす施策の展開により、活気ある須坂市に生まれ変わっていくものと確信しています。

 (以下の要望は、紙面の都合により抜粋して掲載させていただきました。)

1 精神障害者への理解を深めるための活動とともに、グループホーム等の整備をすすめること。2 保健診査と各種個別検診を見直し、市民がより受診しやすい内容とすること。

3 老人保健福祉計画に、宅幼老所(小規模多機能施設)を小学校通学区単位に1カ所設置するようもり込むこと。

4 保健補導員制度をより充実させるため、男性の保健補導員担い手を生みだすこと。

5 保健づくり推進のため、運動施設の整備・充実をはかること。

6 福祉医療における医療費支払いの際の本人による立て替え払いをなくすこと。

7 障害者自立支援法制定後の自己負担の軽減など支援体制を充実すること。

8 介護保健法改正後のホテル経費の軽減をはかること。

9 児童クラブについて、より充実した施設整備をはかること。

 10 平成8年策定の保育所統廃合計画を見直し、現施設の整備を優先させること。

 11 全ての保育所で0歳児施設を整備し、0歳児保育を実施すること。

12 国民健康保険税は県内19市の中位の額に抑えること。

 13 学校教育と社会教育の連携・融合を推進すること。

 14 図書館、博物館の整備充実を早急に図ること。

 15 小中学校における30人学級を実施すること。

 16 食育基本法の趣旨を実現するため、学校給食を自校方式に順次転換すること。

 17 相森中学校体育館整備を実施計画に計上すること。

18 都市計画道路を整備し、着実な推進をはかること。

19 国道406号線(クラシック美術館〜八十二銀行)をコミュニティー道路として整備すること。

20 すべての霊園のトイレを水洗化すること。

21 生ゴミの堆肥化事業を早期に導入すること。

22 行政防災無線が非効率であるため、各戸受信器の設置を検討すること。当面、高齢者世帯、障害者世帯等には早急に導入すること。

23 交通公園のトイレの水洗化を含む整備・充実をはかること。

 24 農業振興を図るため、新たな担い手への支援策を充実させること。

 25 市部長会議及び各種委員会、懇話会等の会議録をホームページに公開すること。

 26 市ホームページの的確な更新と内容のチェック体制を確実なものとすること。

 27 職員の年齢構成を適正なものにするため、適正規模の職員採用を行うこと。なお、平成18年度は職員採用を行うこと。

 28 基金を増やすことだけではなく、基金を活用した積極的な公共投資を行うこと。


  賀正       今年もよろしくお願いいたします

                        岩田修二後援会長  小森清利

                                      岩田修二



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