岩田修二


議 会 報 告


2007年6月


通常国会の会期が12日間延長され、当初予定されていた参議院選挙の日程が一週間おそくなってしまいました。多くの市町村では、最初に予定されていた7月22日投票日の日程で準備が進められ、公営掲示板の作成、入場券の印刷、投・開票場の確保等が行なわれていました。このおかげで、市町村の選挙管理委員会に大変な迷惑がかかっています。

 安倍政権が発足して初めての通常国会、その強権ぶりは目を見張るばかりです。憲法改正を目指した「国民投票法」、教育について国の介入を正当化する「教育三法」の改正、イラクに自衛隊を引き続き派遣できるための「イラク特措法」の改正等、次々に数にものを言わせた強行採決で成立させてきています。更には、会期を延長してまで党利党略を最優先する法案の成立を図ろうとしています。その結果、内閣支持率はドンドン下がり続けています。

 今の状況が続けば、日本の将来は決して希望が持てるとは思えません。参議院選挙は今の日本の政治を変える大きなチャンスです。是非投票に行って今の政治を、国民が主人公である政治に変えていかなければなりません。

 

6月定例議会の報告

 須坂市議会6月定例会は、6月4日から26日までの23日間開かれました。提案された議案の主なものは、消防署小布施分署に配備される消防自動車の取得契約、し尿汲み取り手数料等の料金を改定する条例改正案、一般会計等の補正予算案でいずれの議案も原案の通り議決されました。

 

し尿汲み取り料金引き上げ  10月1日から

4人世帯で年間5,500円程度の負担増に

 引上げの主な理由は、@し尿の収集量は、公共下水道事業等の普及により減少している。Aそのため収集及び処理コストは増えている。等と説明されています。具体的には、18リットル当たり131円25銭から157円50銭(税込み)に10月1日から引上げられます。

補正予算

小山小学校耐震診断、補強工事設計 1,770万円

「エコサポートすざか」移転改築   100万円

勤労者生活資金預託金       1,000万円

 

 小学校校舎の耐震補強工事は、実施計画に基づき順次行なわれています。小山小学校については平成21年度に耐震補強工事が予定されていますが、耐震診断と工事の設計を早めて行うものです。「エコサポートすざか」は、庁舎西館解体に伴い「旧上高井郡役所」へ移転するための改築費用。勤労者生活資金預託金の増額は、須坂市が利子補助している勤労者のための生活資金融資の枠を拡大するためのものです。

 この他に、下水道事業特別会計、水道事業会計では利子の高い借金を借り換え、財政負担を軽減するための財政措置が図られました。

  

須坂市国民保護計画策定

なに?  それ? 

 「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国民の安全の確保に関する法律」いわゆる有事関連法により、「国民保護法」が制定され、県や市町村単位に「国民保護計画」を作らなければならなくなりました。

 内容は、誰かが武力を使って攻撃してきた時にどのように国民を守ったらよいかを、こと細かく定めた計画です。計画では、@地上部隊が上陸する攻撃Aゲリラ・特殊部隊による攻撃B弾道ミサイルによる攻撃C航空機による攻撃、の4つの事態を想定し、普段からの備えや予防方法、避難の方法等について定めています。まるで、映画で見たことのある戦前の「軍事教練」を連想させる内容になっています。

 映画のシナリオのようなこの計画、国のお役人が真面目に考えているとは、「変」を通り越して腹立たしく思えてなりません。(内容はいつかホームページに掲載されると思います。)

 

小・中学校通学区域の弾力化

須坂・小山・森上・日滝小学校区、常盤・東中学校区で採用へ

 教育委員会では、市民から通学区にこだわらず近くの学校へ通学させたい、須坂小学校の児童数減少に対応してほしいとの要望があり、昨年9月懇話会を設置して検討を進めてきました。この懇話会からの提言を受けて、通学区の変更ではなく「弾力化」について、PTAや市民の皆さんに説明して意見を求めていくとしています。

岩田修二の一般質問と答弁  要旨 

●子どもは宝プロジェクトについて(市長答弁)

質問 新たに「子どもは宝プロジェクト」を立ち上げる目的と、具体的目標は何か。

答弁 須坂らしい、須坂ならではの子どもの将来像がいかにあるべきかを思い描き、長期的な視野に立った施策を広く議論、検討する中から、次世代の育成支援を実施することにある。

質問 今でも、青少年健全育成や子育て支援事業は進められている。それらの事業で何か不足しているものがあるのか。

答弁 何かが不足していたから実施するものとは考えていない。

質問 国は、平成15年に「次世代育成支援対策法」を制定し、それに基づいて須坂市でも「次世代育成支援行動計画」を策定して、事業推進を図っている。その行動計画の完全な実現を優先すべきではないか。

答弁 現行の行動計画を推進することは当然だが、プロジェクトの目標に合致した、新たな事業の積極的導入を図っていくことも必要。

質問 プロジェクトはどこが担当し、関係機関との連携はどのようにするのか。

答弁 市長部局、教育委員会等が連携を図り推進していく。プロジェクト推進体制の中心は、教育委員会を中心に進めていく。

 

●消防行政について(市長、消防長答弁)

質問 消防広域化の目的は何か。

答弁 将来の人口減少による消防力の弱体化、救急救命士の養成など消防行政に対する住民要望や、大災害に対する防災体制の充実等、一定のメリットが得られると予想している。

質問 広域化に向けた具体的日程と、地域住民への周知や意見反映はどのようにするのか。

答弁 長野広域連合消防専門部会で検討が進められており、今年11月には最終報告を行う予定。消防専門部会の動きについては議会へ報告している。広域化は合理化ではなく、住民サービスの低下はないと考えている。

質問 広域化でメリットとされている事項についてどう検証したのか。

答弁 広域化に向けた調査段階であり、広域化の具体的な方式も未定なため、検討はしていない。

質問 消防職員の待遇について話し合う場として、消防職員委員会が設置されている。その開催状況と協議内容はどのようになっているか。

答弁 消防職員委員会は、消防組織法に基づき制度化されたもの。消防の性質上、職務遂行に際しては上司の職務命令で災害対応することから、職員の意見が反映される重要な組織と認識している。昨年は1回開催し一定の報告がなされている。

 

●すざか男女共同参画計画について(市民生活部長答弁)

質問 第二次計画の達成度をどのように分析しているのか。

答弁 各施策の取り組みにより、男女がともに当たり前に参画する地域の体制が充実したことは成果と言えるが、依然として、しきたりや習慣の見直しを求める市民の声が多い。

質問 政策の基本をなす、男女共同参画推進条例を制定すべきと思うが。

答弁 制定に当たっては、幅広く市民の意見を求める過程が大切。第三次計画を進める中で、住民の機運の高まりを見極め制定していきたい。

ペット火葬場建設計画に関する請願 趣旨採択に 

 井上地区の7区長から「ペット火葬場建設計画に関する請願」が提出され、請願の趣旨により福祉環境委員会と経済建設委員会でそれぞれ審査が行われました。

 請願の内容は、

 ・生活環境課より須坂長野東インター近辺に、ペット火葬場建設計画があることについて、その概要が伝えられた。

 ・井上町では、インター周辺は須坂市に玄関口であり、飲食店も多数営業している。地域の環境を考えればペット火葬場にはふさわしくないとして絶対反対を市や業者に伝えてきた。

 ・にもかかわらず、予定地は工業地域であり法的にはなんら問題がないとして、着々と建設準備が進められている。

 ・ペットも家族同様に生活しており、施設の必要性は理解できる。

 したがって、@須坂市の玄関口にふさわしいインター周辺となるような土地利用計画に見直すこと。Aペット火葬場建設計画については、地域の環境等を考慮し住民の意思を生かした行政指導を行うこと。の2点についてでした。

 福祉環境委員会の審査では、市としてできることと、できないことは明確であり、できないことを議会が押し付けることは行政権の濫用にもつながりかねない。市からも事業予定者に対し、

一定の働きかけ、強い指導を行っているので、今後もできることを最大限やっていただくことがいいのではないか、との意見で一致し、趣旨採択となった。

 一方、経済建設委員会では、土地利用計画を見直しても遡って適用させることはできない。法は遵守すべき。との意見があり委員会では不採択となりました。

 この請願については、最終日の本会議で趣旨採択とすべきとの討論が行われ、賛成多数で趣旨採択となりました。この結果を受けて市では引き続き事業者に対し要請していくことになります。

  

高齢者福祉施設等が社会福祉法人化へ

住民不在の議論になっていないか!!

 

 長野広域連合(長野市須坂市、千曲市他8町村で構成)が運営する、特別養護老人ホーム等の高齢者福祉施設を全て社会福祉法人化するという計画について、福祉環境委員会に検討経過の報告がありました。

 報告の中で、この計画については平成17年から検討が始められ、平成18年には幅広い観点から意見を求めるとして、公募委員も含めた「福祉施設等あり方検討懇話会」が設置されています。

 検討懇話会からの提言は、原則として全ての施設を社会福祉法人化する。時期は平成22年度から段階的に。移管する施設の順位は、借金が終わっている施設、建設年度の古い順等としています。いわゆる公的施設を民営化する計画ですが、利用者や地域住民にはどのような説明が行なわれているのでしょうか。「コムスン」の二の舞はごめんです。


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