2004年11月8日
   須坂市長 三木正夫 様
                            須坂市議会 市民21
                                代表 島田和子
新年度予算新規・拡大・廃止事業等に対する意見と提言について
 日ごろから、市民生活ならびに市民福祉の向上にご尽力されていることに敬意を表します。
 さて、私共「市民21」所属議員が提案した、新年度予算編成前のパブリックコメントを、今回実施されたことは高く評価するとともに、市長公約である市民参画と協働の街づくりを具体化するものと認識しています。そこで、今回の提案に対して、私どもは一市民として検討しながら、会派として一定のまとめを行いました。つきましては、別紙「意見と提言」を尊重され予算編成をされるよう要請いたします。
今日、須坂市を始め各自治体で改革の指針として、イギリス流の「NPM」がもてはやされています。しかしながら、私どもは、子育て・高齢者施策の分野で市場原理(利潤追求)を導入することは、「単なるコスト論による運営」を行政が追認することになってしまうと危惧しています。本来、行政が果たさなければならない役割は、「社会的弱者」に光を当てることや市民に安らぎを与える地域づくりではないでしょうか。また、市民との協働という視点で言えば、NPOなど新しい公共サービスの担い手として「市民は顧客ではなく、サービスの創設者・供給者である」と位置づけられなければならないと考えています。
 民間委託を検討されている学校給食についても、教育の一環としてどう自治体が施策を練り上げていくのかが問われています。同時に、大人から見ても、須坂で生まれ育つ子供たちの姿や「農業を生かした地域づくり」を創造する楽しさがあります。県内では小諸市や伊那市等のように「単独校給食」方式により、温かく・子供たちにも親しまれ、小回りの効く「学校給食」を実施しています。この点は「須坂市も昔そうだった」でなく、先進事例として大いに参考にし、単独校方式に戻すことも検討すべきではないでしょうか。いずれにしても「行政の果たす役割」はこうした点にあることを忘れてはなりません。
 全国津々浦々で「子供たちをどう育てるか」「お年寄りがどうしたら生き生きとして暮らせるのか」人間力、地域力を活かした、そして知恵と工夫に富んだ取り組みがなされています。須坂市においても、「ここに須坂あり」と全国から注目され、視察が押し寄せるような独自の事業展開を期待します。

新年度予算の新規・拡大・廃止事業等に対する意見と提言

2004年11月8日

 

須坂市議会会派 市民21  島田和子  善財文夫  岩田修二  渡辺 智

 

意見と提言

(1)障害者のためのケアプラン作成

  検討内容については理解できるが、長野広域連合での調整の中で委託料の高額化が憂慮されるため、老人介護ケアプランと同額程度とすべき。

  また、サービス供給体制の充実は必須条件。

 

(2)児童クラブ、児童センターの有料化

  児童クラブと児童センターはその設置目的から明確に区別すべきと考える。児童クラブは留守家庭児童の健全育成を図ることを目的として設置されており、児童センターの現状は未就園児交流事業に代表される子育て支援施設的要素も含まれている。

  したがって、児童センターは子育て支援計画の中で明確に位置づけるべきであり、有料化にはなじまないものと考える。

  児童クラブは前述の目的から有料化は理解できるが、子育て世代に負担を強いる施策については、保護者の意向等を調査し慎重に検討すべき。

 

(3)高齢者サービスの全体的見直し

  年金支給開始年齢も段階的に65歳に引上げられていることから、60歳以上の施設利用における減免制度の見直しは必要。

  個人給付事業については、在宅福祉事業の一環であり個々の費用負担の軽減を図る上でも更に充実すべきと考える。

 

(4)老人福祉センター永楽荘、くつろぎ荘の有料化

  理解する

 

(5)健康増進プロジェクトの推進

  原則理解するが、パワーリハビリなどを導入しより充実した継続的な健康づくり対策を実施すべき。

 

(6)一時的な生活資金不足に対する融資制度の廃止

  どの制度でも救えない市民は必ず出てくることから、融資基準を緩和してでも制度的には存続すべき。市民への啓発活動の充実を図ること。

 

 

(7)住民票交付などの時間外窓口の拡大

  転入転出者の便宜を図るためなら、他の官公庁、銀行、事業所等が開かれていない現状では、安易に窓口時間を延長するのではなく、年度末における窓口箇所の拡大等他の方法も考えられるのではないか。また、職員への負担も大きくなることから、職員組合とも十分協議すべき。

 

(8)循環バスの運行拡大

  運行拡大を積極的に進めるべき。

 

(9)ごみ減量化推進による報奨制度の拡充

  資源回収報奨金制度は、一定の成果は挙げているものの、それを行っている団体の運営資金捻出が目的となっているものもあり、必ずしも市民への啓発につながっていない。

すでに回収ルートが確立している中で、分別の内容を充実させていくことにより分別意識を高めることが大切。

  余剰シール回収還元とともに、報奨金制度の目的を明確にした仕組みづくりを。

 

(10)廃食用油のリサイクル活用の推進

  積極的推進

 

(11)廃食用油リサイクル後の燃料化

  積極的推進

 

(12)霊園管理手数料の改定

  改定理由が市民の理解を得られるかが疑問。平成15年度決算では、管理手数料収入が支出を上回っており適正料金が不明確である。

 

(13)地域ぐるみによる防犯対策の強化

  事業推進に期待する。ただし、各区へ配布するセンサーライト、蛍光帽子をどのように活用しどのような効果があるのか具体的説明を要する。

 

(14)食と農の基本計画・これからの農業のために

  積極的推進

 

(15)農業仲間の研究グループへの補助

  補助金整理統合の枠内での新設なら理解できる。

 

(16)手作り農村(みちぶしん)事業への支援

  基本的には理解できるが、農道等の新設改良に伴う受益者負担制度の創設も検討すべき。

 

(17)坂田山共生の森の有効活用

  ボランティアの活用を積極的に推進する。

(18)年間を通じたオープンショップの開催

  以下の点を検討したうえでの実行

  ・綿密な活用計画の策定

  ・費用対効果の判断

  ・障害者団体、ボランティアグループの出店も含めた活用等年間を通した営業活動の展開

 

(19)広域的な観光誘客・宣伝の充実

  既決予算内で実効をあげるべき。

 

(20)臥竜公園の花見の時期における駐車場有料化

  実施に向け早急に実施方法等検討すべき。

 

(21)歴史的景観保存対策事業の継続

  現行事業の総括の上で検討することは当然のこととして、今後は観光面での活用を図るべく視点を絞って事業の継続は必要と考える。継続実施に当たっては、今までの事業を検証した上で活用できる条件を市民とともに検討すべき。

 

(22)オープンガーデンの開催

  積極推進

 

(23)児童・生徒のための補助教員の配置

  補助教員の配置は、最低限現行を下回らないよう努力すべき。併せて、教育ボランティアの活用も検討されたい。

 

(24)自然の中で体験学習する「農業小学校」の開設

  積極推進

 

(25)美術館等の休館日の変更

  動物園を除き、休館の必要はないのではないか。展示替えの場合には臨時休館とし原則的には年末年始を除き通年開館とすべき。当然職員体制の整備は必要。

 

(26)市民プールの存続

  老朽化し維持管理に相当な費用もかかることから、廃止すべき。跡地は市民体育館駐車場として利用。

 

(27)消防本部経費の関係町村の負担

  一部事務組合化の推進

 

(28)塩野浄水場水質検視装置の設置

  水道料金に影響を与えない範囲での実施。塩野浄水場だけで足りるのか疑問がある。

戻る