9月  定例会 


6万年ぶりに「火星」が地球に大接近、18年ぶりに「阪神」が優勝、10年ぶりの冷夏による「米の凶作」。いずれも、この夏から秋にかけてマスコミが取り上げた大きな話題です。私たちの身近ではどんなことが話題になっているのでしょうか。

 「市町村合併」????? 市長は、「地域づくり市民会議」や市報を通して、一生懸命話題にしようとしています。しかし、市民の皆さんの話題にはほとんどなっていないと言ってもいいのではないでしょうか。

 合併問題は、「する」「しない」にかかわらず、私たち須坂市の将来を大きく左右する問題で、けっして無関心ではいられません。是非皆さんの声をお聞かせください。 


  9月定例議会の報告

 

 9月定例議会は、9月4日から25日まで開かれ、一般質問は14人の議員が行ないました。この議会でも、市町村合併の問題について私も含めて4人が取り上げ、市長の考えていること等について質問しました。

 また、9月議会は主に前年度会計の決算について審査する議会です。須坂市には、一般会計のほかに9特別会計、2企業会計があり、いずれも原案通り決算が認定されました。

 


     平成14年度 決算から

市債残高総額 471億4,970万円

前年比  19億1,931万円の増

 

市債というのは、いわゆる借金です。市町村が大きな事業(道路をつくる、学校を改築する、下水道を整備する)をしようとするには、自己資金(市税、地方交付税等)だけでは足りません。ですから一般家庭と同じように、不足分を国から補助金をもらったり、借金したりして資金を調達しています。

平成14年度に新たに借り入れた市債の主なもの

  ●市道を新設したり整備したりするための工事費   約3億4,000万円

  ●都市計画道路を整備するための工事費   約2億1,900万円

  ●末広団地を建て替えた建設費   約2億1,200万円

  ●東中学校体育館、旭ヶ丘小学校改修の工事費   約2億7,800万円

  ●下水道建設に必要な工事費   約19億8,000万円

  ●地方交付税の不足分を補うための費用   5億5,000万円

 借金ですから返済していかなければなりません。平成14年度の返済額は約35億7,900万円で支出総額の10.37パーセントになります。

 ちなみに、市債残高471億4,970万円は平成15年度予算総額の約1.43倍です。

※平成14年度決算の詳細は市報10月号に掲載されています。また、市のホームページにも公表されています是非ご一読を。

 

 岩田修二の一般質問と答弁  要旨

 一般質問は、@平成14年度決算についてA合併問題についてB平和教育について質問しました。特に合併問題については、私が今まで疑問に思っていたことを直接市長に質問しました。

 

●平成14年度決算について

 質問 市税の収納率が大幅に低下した理由及び滞納の要因と徴収見込みは

 答弁 長引く景気低迷によりリストラや営業不振により、滞納者が大幅に増加した。徴収率向上対策として、時期を決   めて夜間納税、日曜納税相談を行なっている。

 質問 税金の執行停止や不納欠損処分の原因別内訳は。

 答弁 営業不振による倒産、病気等での生活困窮者、行方不明等です。

 質問 税金が減収になっているにもかかわらず、地方交付税が減額になっている理由は。

 答弁 交付税の振替である起債の発行が可能になったこと、事業の減少、法人税割の算定方法の違いによるものが   主な要因

 質問 高額な未収金の原因と収入見込みは。

 答弁 徴収金や使用料は、関係者と連絡を密にし徴収に勤めていく。市住の家賃については、入居者の意識欠如に   よるものも多いため、きめ細かな納付指導や明渡訴訟も考えて対応していきたい。

 質問 補正により増額した額より、不用額が上回っているものがある。改善方法はないか。

 答弁 前年実績や支出見込みを勘案し計上しているが、事業費が最終まで確定できないため不用額が生じている。   また、コスト意識の表れにより経費の節減につながっているものと考える。

 質問 公債費の推移と見通しは

 答弁 平成19年度までは24億円程度、21年度からは23億円程度と考えている。

●合併問題について

 質問 合併した場合、15年は財政援助があるがそれ以降の財政見通しは

 答弁 合併後の運営が軌道に乗るまで、十分な準備を行い対応が可能。人件費の削減、重複する施設や事業の合理   化により物件費、維持補修費等の削減も図れる。財政的には黒字を保てると予測している。

 質問 合併特例事業債でどんな事業をするのか。償還に伴う財政負担について

 答弁 合併を想定しての新市の事業は未定。元金償還は平成21年度から36年度までで、ピーク時は21億3,200万   円となる。

 質問 合併しない場合の交付税見通しについて

 答弁 合併した市町村へ特例措置がされることから、合併しない市町村の交付税は減少すると考えられる。

 質問 どこと合併しようとしているのか。

 答弁 議会終了後小布施町高山村へ呼びかけていく。

 質問 「地域づくり市民会議」への参加者は少なかった。本当に市民合意は得られたのか。

 答弁 市民合意ができたとは思っておりません。

●平和教育について

 質問 広島原爆の日にあわせ中学生を、広島に派遣して平和学習をしているが、学校教育にどのように取り入れら   れているのか。

 答弁 事前学習での共通認識と参加後は学校ごとに報告会を開くと共に、感想文集を作成している。

 質問 機会あるごとの平和教育の推進について

 答弁 平和の尊さ、大切さを認識し、平和教育を推進するため、様々な機会を捉えることも念頭に入れながら、より   一層平和学習に取り組んでまいりたい。

 質問 平和を願う諸行動の受け入れは堂々と行なうべきではないか。

 答弁 市役所のお客様の迷惑にならないよう「宣言塔の前」でお願いした。

  質問 非核平和都市宣言の評価と具体的施策の実施状況は

 答弁 毎年市報・公民館だより8月号に特集記事等を掲載しているほか、諸事業を行なっている。平和主義の理念を   市民生活に生かすため、継続的に実施していくことが大切。

 

  常任委員会の報告

 

総務文教委員会(所管する部:総務部・消防本部・教育委員会)

 条例の一部改正1件、決算認定3件、補正予算2件、請願4件の審査が行なわれました。

 条例は、墨坂庭球場における中学生以下の夜間使用料を定めたもので、10月1日から実施になります。また、補正予算の主なものは、平成14年度決算に伴う繰越金の確定、職員の異動等による人件費の補正が主なものです。

請願のうち、「教育基本法の理念の実現を求める意見書の採択を求める請願」については、6月定例会に引き続き継続審査となりました。他に、少人数学級の実現を求めるもの2件、地方自治の強化充実を求める請願は採択となりました。

経済建設委員会(所管する部:経済部・まちづくり部・水道局)

 市道の廃止案件1件、条例の一部改正1件、決算認定6件、補正予算5件、請願1件、陳情2件の審査が行なわれました。

 条例は、長年の懸案であった「須坂駅前駐輪場」を設置するためのもので、併せて建設予算も計上されました。この駐輪場は長電パーキング西側に150台分を確保するものです。

 決算認定では、「湯っ蔵んど」レジオネラ菌防止工事費の支出は市が負担すべきものなのかとの意見が出され、起立採決となりましたが、原案どおり認定されました。

福祉環境委員会(所管する部:健康福祉部・市民生活部)

 決算認定5件、補正予算4件の審査が行なわれました。

 補正予算では、防犯灯設置工事で新たに相森中学校通学路に8灯、東中学校通学路に2灯設置されます。

合併を問う        私の主張

 市町村合併問題は、平成17年3月の合併特例法期限切れをにらんで、市民の関心を盛り上げようと苦心さんたんしています。今年の「地域づくり市民会議」でも全体の出席者が276人、合併について発言した人が40人程度となれば、けっして市民の声が聞かれたかといいがたい状況です。

 私は合併を語るにはまちづくりのビジョンがあってしかるべきと考えています。しかし、市長は、財政問題だけを理由に合併を推進しようとしています。そこで、財政問題について私は以下のように考えています。ご意見をお聞かせください。

 @@地方交付税のからくり

 地方交付税とは、各自治体の支出が、その自治体の収入だけでは足りない分、国が補填してくれるもので、この制度がなければ多くの自治体は破産状態になります。今の制度は、人口10万人の自治体収支を標準として、人口の少ない自治体に不足分より余分に補填することになっています。制度的には、人口が少ないほど多額の交付税となり、多くなれば交付税が減る仕組みになっています。したがって、合併により人口が多くなれば交付税は減少します。(合併すれば15年だけ特例措置が受けられることになっています)

 ですから、合併しても15年間は何とかなるかもしれません。その後はどうなるのでしょうか。今の小・中学生が苦しむことにはならないのでしょうか。

 A 合併特例債という借金

 合併すれば、新しい「市」のまちづくりのために、10年の間「合併特例債」という借金ができます。市長に言わせれば、返済のときに国が70%面倒を見てくれるので大変有利な借金といっています。合併特例債は10年で返済しなければなりませんし、いまでも市民1人あたりに換算すると87万円にもなる市の借金を、有利だからといって更に増やす。借金に変わりはないのです。

 B 合併を勧める国の狙い

 国には700兆円にものぼる借金があります。その借金を減らすことが市町村合併を勧める本当の国の狙いです。合併により現在ある約3,000の自治体を3分の1以下にする。自治体の規模を大きくすることによって、地方交付税を節約することが最大の目的ではないでしょうか。

 

 私は、合併が市民にとって必ずしも有益だとは思っていません。

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