岩田修二

            議会活動報告           06年4月


平成16年6月に「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」いわゆる「国民保護法」が成立し、同年9月に施行されました。そして、平成17年3月には国民保護計画策定にあたっての国の基本指針がまとめら、これに基づき、市町村においては平成18年度中に「国民保護計画」を定めるものとされています。その策定を進めるため今議会に国民保護協議会を設置する条例が提案されました。

「国民保護計画」とは、武力攻撃事態等から国民の生命、身体、財産を保護し、国民生活に与える影響を最小にするため、県や市町村に計画作りを義務付けられたものです。ちなみに、武力攻撃事態等とは、武力事態4類型@着上陸攻撃A航空攻撃Bミサイル攻撃Cゲリラ攻撃。緊急対処事態4類型@航空機テロA化学薬品等散布B原発破壊Cハイジャックとなっています。

市民の皆さんは、どのような感想をお持ちになりますか。



3月定例議会の報告

須坂市議会3月定例会は、2月28日から3月24日までの24日間開かれました。主な内容は平成18年度予算と、平成13年に策定された「第四次須坂市総合計画・基本構想」の改訂でした。

市長は予算の提案説明の中で「苦しくとも次の世代に課題を先送りしない、課題発見、解決型の年として、智恵と勇気で敢然と難局に立ち向かって、希望の持てる未来への歩みを確かなものにしていく」と述べています。


一般会計予算総額    184億5千万円


                      前年と比べて 9億円の増


新規事業の主なもの

5歳児すこやか相談(子ども課)

乳幼児からの連続した子育ての支援と軽度発達障害児への支援を中心とした相談事業

 ●福祉輸送サービス(福祉課)

   在宅の重度障害者や要介護老人の外出支援のため福祉輸送サービスへの補助

 ●「いきいき」「はつらつ」「のびのび」生きる人への支援(健康づくり課)

「自分の健康は自分でつくり守る」市民への支援

 ●不登校児童・生徒支援員配置

   専門的に保護者、児童、生徒の相談に応じる支援員を墨坂中学校に配置

 ●日野児童クラブ改修  手狭な日野児童クラブを旧日野保育園遊戯室に移転し改修

 ●須坂・豊丘小学校校舎耐震補強工事(6億603万円)

 ●市役所庁舎耐震補強工事(15,810万円)

 ●米子不動尊奥の院公衆トイレ、休憩所等整備(648万円)

 ●旧上高井地方事務所整備(8,700万円)

  県から無償譲渡される歴史的建物を整備して活用していく


平成18年度歳出予算の概要                                  (単位: 千円    %)

 

18年度

17年度

予算額

構成比

伸率

予算額

構成比

伸率

人件費

4,275,067

23.17

1.08

4,321,632

24.62

1.82

扶助費

2,090,877

11.33

5.47

1,982,448

11.30

5.18

公債費

2,414,220

13.09

1.68

2,455,578

13.99

20.77

普通建設事業

2,527,801

13.70

102.02

1,251,276

7.13

3.20

物件費

2,410,714

13.07

1.05

2,436,264

13.88

0.73

維持補修費

159,955

0.87

2.58

164,196

0.94

6.06

補助費等

1,075,506

5.83

15.41

1,271,397

7.24

7.36

積立金

90,778

0.49

45.20

62,520

0.36

103.29

投資・出資金

54,931

0.29

5.98

51,831

0.29

6.14

貸付金

1,174,540

6.37

20.12

1,470,440

8.38

15.29

繰出金

2,165,611

11.74

4.50

2,072,418

11.81

10.52

予備費

10,000

0.05

0

10,000

0.06

合計

18,450,000

100

5.13

17,550,000

100

1.52

 


介護保険料の改定(65歳以上の方)

  第4段階 年額34,540円を43,440円に引き上げ

                                 平均引上げ率25.8%

平成12年度からスタートした介護保険制度は、その費用を保険料と税金で半分ずつ負担して運営しています。そして、介護サービス費用の変動の関係から3年ごとに負担の見直しが行われています。今回平成18年度から20年度までの介護サービス費用の見込額が計算され、それを基に保険料が改定されます。

 今回の改定では、所得段階を4段階から7段階に細分化、特例として激変緩和措置を設けるなど大幅な負担増にならないようになっています。しかし、高齢者にとっては、年金への課税強化や介護保険制度改正で負担が増えてしまうことになりました。



岩田修二の一般質問と答弁  要 旨

改定基本構想について(市長答弁)

質問 今回策定された総合計画では、「安心・安全」がキーワードになっているが、行政が市民に約束できるのは「安全」であって「安心」ではないと考えるが。

答弁 「安心」の受け止め方は様々だが、市民の皆様の不安を取り除く施策を講じていくことが行政の果たすべき役割と考えている。

質問 地域公民館の充実が強調されているが、以前と比べてかなり縮小されている。どのように充実させていくのか。

答弁 「(仮称)地域協働センター研究懇話会」を設置し、より良い地域公民館の姿を考え、大勢の地域の皆さんに利用していただけるようにしていく。

 

平成18年度予算について(市長答弁)

質問 市税収入を過去最高額だった平成13年度と比較して大幅な減額と説明し、必要以上に危機感をあおっているが、事実と説明には大きな開きがあるのではないか。

答弁 国の三位一体改革等により平成15年度と比較して9億円余の減額となっている。したがって、市の財政は依然として厳しい状況下にあると申し上げた。

質問 地方交付税の増額理由は何か。

答弁 予定している事業を積極的に予算計上し、今後の補正要因を極力抑えたため。

質問 障害者自立支援法制定後の自己負担の軽減など、支援体制を充実すること。

答弁 市独自の軽減については新たな財源を必要とするため、現状では考えていない。

質問 保育所統廃合計画を見直し、現施設の整備を優先させること。

答弁 保育所あり方検討懇話会において、民間活力の導入や保育園の統廃合について協議いただいている。その結果を踏まえて具体的な検討を進めていく。

質問 交通公園をトイレの水洗化を含め整備充実を図ること。

答弁 開設以来30年を超え老朽化は否めない。トイレも清潔だが汲み取り式で使い勝手が悪い。今後、交通安全センターのあり方を検討していきたい。

 

組織機構の改編について(助役答弁)

質問 児童センター、児童クラブは「学校教育課」、乳幼児健康管理は「健康づくり課」、乳幼児でも保育所入所、子育て支援は「子ども課」では、市民にわかりやすい組織といえるのか。

答弁 子どもに関することは、全て同じ窓口にすることが最善かもしれないが、人員配置が困難であり、「健康づくり課」で総合的な健康管理を行う方法が最善との判断から、現状とした。

質問 なぜ毎年組織の改編を行わなければならないのか。

答弁 より一層の市民サービスの提供ができる体制とするためのもの。

 

下水道事業について(水道局長答弁)

質問 下水道整備計画区域外の対応について

答弁 整備計画見直しの中で整備手法を検討し、取り込めない住宅は合併浄化槽で対応していく。

質問 使用料改定後の財政状況と、今後の使用料見直しの是非は。

答弁 平成16年度以降かなり改善している。使用料については18年度見直しの検討をしたい。

国民保護協議会条例及び緊急対処事態対策本部等条例について(総務部長答弁)

質問 有事に備え国民総動員体制を整える前に、平和憲法に理念に基づき平和外交により、国民の信頼を得るべきと考える。この条例の目的は何か。

答弁 国民保護法の目的により、武力攻撃事態等において、国民の生命、財産等を保護するための施策を推進する組織で、必置の機関とされている。

質問 国民保護法に基づく具体的行動内容と今後のスケジュールは。

答弁 国民保護計画により、警報の伝達、避難実施要領の策定、救援の実施、武力攻撃災害の復旧等について、国の指示を市民に知らせ協力を求める。今後は、須坂市国民保護計画案を作成し、県へ協議していく。
(最終日の本会議で、条例制定に対し反対の討論を行いました。討論の内容はこちら)



 

基本構想審査特別委員会

平成22年須坂市人口を53,500人に想定し
                                                 基本構想を改訂

基本構想とは、須坂市の将来の姿をどのようにしていくのかの目標を定めるもので、法律により作らなければならないことになっています。須坂市の基本構想は、平成13年度から10年間の計画になっている「第4次総合計画」の中の基本になっているものです。

 特別委員会の議論では、人口想定に対し多くの委員から疑問視する意見が出されました。今の計画をつくる時点では、平成22年の人口想定を60,000人としていますが、改訂案では現在の人口より少なく想定しています。人口を増やす意気込みがなければ、「元気な須坂」の創造など夢のまた夢になってしまうのではと心配になります。


「AED」ご存知ですか? (市内22ヶ所に設置)


                 「自動体外式除細動器」のことです


「自動体外式除細動機」とは、突然心停止状態になったとき、心臓に電気ショックを与えて、正常な状態に戻す医療機器です。コンピュータを内蔵し、電極を胸に貼ると心電図を自動的に解析し、心臓が全身に血液を送ることができなくなってしまっている状態になっているか否かを判断し、機械が電気ショックを指示します。この機械により救命率が大幅に向上しています。

欧米では、以前から病院や救急車の他パトカー,航空機、空港、スポーツ施設、ゴルフ場等での導入が進んでいます。日本では、平成16年7月から一般市民による使用が認められ、昨年の愛知万博以後日本全国に急速に設置が進んでいます。

須坂市でも新たに14ヶ所に設置を予定しており、全部で22ヶ所に設置されます。使わないことにこしたことはありませんが、いざという時に命を守る大切な機械です。

設置場所  すでに設置済み  市役所、市民体育館、北部体育館、須坂病院、市内4高校

      設置予定場所  豊洲、日野、高甫、旭ヶ丘、仁礼、豊丘各小学校、東中学

                     メセナホール、シルキーホール、動物園南口、永楽荘、くつろぎ荘

                     農村環境改善センター、峰の原クロスカントリーコース


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