学校給食センター民営化のための業者選定会議外部委員謝礼
の削除を求める修正動議提案理由の説明

ただ今議題となりました、議案第67号平成21年度須坂市一般会計補正予算第3号に対する修正動議について、提出者を代表して提案理由の説明を申し上げます。

 修正動議の内容は、歳出について、款10教育費、項6保健体育費、補正額717,368円の内、65,000円を減額し717,304円とし、減額した65,000円を予備費に充当するものであります。

 この予算は、学校給食センター調理部門の民営化をすすめるため、外部委員による委託業者選定会議のための委員謝礼であります。私は、学校給食センター調理部門の民営化については、PTAをはじめとする住民に十分な理解が得られていない。また、経費の削減についても多くの疑問が残ることから、いつ誰が決めたか説明もない民営化を進める委託業者選定会議委員の謝礼については認めることはできません。

 学校給食センター調理部門の民営化については、この間の理事者側の説明で平成18年から地域づくり市民会議等で説明をしてきており、十分に市民の理解は得られているとのことです。しかし、実態はどうなのでしょうか。「広報すざか」91日号に初めて大きくこの学校給食調理部門の民営化が取り上げられています。この記事を見た多くの市民が、初めて聞く話として疑問や不安の声を上げています。つい最近、市民有志の皆さんが市長と懇談しこの民営化の問題についいて申し入れを行ったともお聞きしています。また、26日に行なわれた「議会行政視察報告会」のなかでも、総務文教委員会の学校給食センター民営化に関する報告の内容について聞きたかったとする参加者も多数あったとおききし、また、質問も出されていたことは皆さんもご承知のことではないでしょうか。

 このことを知った市民からは、「給食センターを民間にという話しがあることを聞き、立腹しています。将来の須坂を支えていく子どもに、安全で、体によい食を与えるのが行政の役割ではないでしょうか。財政難と言う理由で、子どもたちにしわ寄せが来るのは問題です。保護者にも学校にも積極的な情報公開と説明を求めます。」「センター委託に関する検討会に市民の意見が取り入れられていない。実際に知らない保護者が多いと思う。」「給食のためのコストは決して税金の無駄遣いにはならない」といった意見が寄せられています。このことを考えると、市民の理解が本当に得られているか大いに疑問があり、この計画を進めようとするなら、さらに市民、とりわけ保護者の皆さんの理解を得る方策を講じなければならないのではないでしょうか。結論ありきではなく、またコスト論ではなく、子どもたちにとってどのような影響が考えられれるのかを、きちんと説明しなければならないと思います

 次は、この方針の決定経緯についてであります。今回の補正は業者選定のための外部委員謝礼ですが、この民営化方針の決定には市民がどのように関わったのでしょうか。9月市報には「平成20年度に導入に向けた方向性を出す。」となっており、平成20年度事業実績並びに主要施策成果説明書には、「調理部門の民営化について検討し民間委託を22年度から導入することを決定した。」と記載されています。このことについて、決算特別委員会総務文教分科会で質問したところ、給食センター運営委員会で議論した。とのことです。この会議は昨年度2回しか開かれておらず、平成18年からも5回開かれただけと言うことであります。

 保育園の統廃合計画については、市民も参加している保育所運営審議会で24回も議論しているにもかかわらず、学校給食については全く市民の意見を聞こうともせずに、いきなり委託業者の選定会議とは、納税者である市民をなおざりにした独善的行政手法と言わざるを得ません。

 一般質問の時にも紹介しましたが、千曲市では老朽化した給食センターの改築を前提とした、2つある学校給食センターの管理運営について、学校関係者の代表、保護者の代表、学識経験者からなる検討委員会で今年の1月から8回の委員会を開き調査研究を重ね、一定の提言をまとめています。

 調査研究事項には、学校給食センターの管理運営に関する事項が含まれており、より効率的な給食調理業務の運営をテーマに、給食調理業務の実施方式「直営方式」と「委託方式」について、千曲市の現状や近隣施設の事例等を基に話し合い、「学校給食センター調理業務のあり方」についてまとめることになっていました。

最終的にまとめられた意見は、民営の良さや利点も一定の理解はできるものの、総合的に評価すると「安全、安心な給食の提供」では、事故発生時の迅速な対応や責任の所在に不安が残る。

「人事管理面」では、より詳細な調理指示書の作成により栄養士と調理員との連携の不足による作業混乱も心配されることや、頻繁な人事異動や新人配置等に伴う職員研修等、指導等への対応が求められる。

「運営経費面」では、将来における人件費の推移を考えると財政面の改善は期待できないことに加えて、学校教育の一環としての食育の生きた教材としての観点等から、現状の「直営方式」を継続することが最善な方策であるとの結論に至った。というものです。

また、できるだけ市民への情報提供を行うため、会議を公開し、会議の情報をホームページに掲載するなど、開かれた会議運営に努めてきた。そのため多くの市民等が傍聴に訪れ、また委員を通じての意見を頂くなど、学校給食に対する期待と関心の高さをうかがうことができた。と締めくくっています。

千曲市のこのような進め方は、「管理運営事項」をたてに、住民や現場職員の意見を聞こうともしない非民主的なすすめ方とは雲泥の差といえるのではないでしょうか。

今理事者が計画しているのは、来年4月からの民営化です。しかも、総務文教委員会に提出された資料によると、委託業務の内容は当初示されていた調理部門だけではなく、ボイラーなどの日常運転、学校給食センターの敷地・施設の清掃等の管理作業、業務に付帯するその他必要な業務が加わっています。また、民営化のメリットされている人件費の削減についても、退職職員の補充をしないとの方針であることから必ずしも削減につながらないのではないでしょうか。削減額が最初の7,000万円から2,800万円に縮小されたのがその証拠です。さらに、須坂市に1ヶ所しかない給食センターを民営化することは危機管理面で大きなリスクを生むことになり、学校給食調理のノウハウを失うことになります。

以上学校給食センター民営化には大いに疑念をいだかざるを得ず、その前提となる委託業者選定会議委員謝礼の全額削除を求めるものです。

 本修正動議について、議員各位のご賛同を賜りますようお願い申し上げ、提案説明といたします。

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