3月定例議会 |
議員任期の半分が経過し、2月15日と16日臨時議会が開かれ議会構成の編成替えが行われました。議会の常任委員会委員の任期は、須坂市議会委員会条例によって2年と決められています。したがって、2年毎に常任委員会の委員構成が変わります。ただし、議長、副議長の任期は地方自治法の定めによって、議員の任期(4年)とされていますが、議会には「先例」というものがあって、須坂市議会では議長、副議長も2年で一旦辞任し、新たに選出することになっています。 議長、副議長選出については、平成13年以前には話し合いによる指名推薦という方式がとられていたため、各会派の思惑などにより候補が決まらず、夜中まで話し合いが行われていた、と聞いていました。平成13年2月の臨時会からは立候補制となり、全議員の投票によって選出されるようになっています。だから意外な結果も生まれてきています。 現議員では2回目の正副議長選挙でしたが、いずれの場合も巷の予想を裏切る結果となっています。開かれた議会、議会の改革をめざす私たちにとっては、驚きと喜びが交差する貴重な体験をさせていただいています。詳細は後述。 |
3月定例議会の報告 |
3月定例議会は、3月1日から3月24日まで24日間の開催となりました。主な議題は平成17年度予算案、市長は初めての試みである「予算に市民の声を反映させる」ことを実行し、元気の出る須坂市の実現に向けて取り組む決意を表明しています。 |
一般会計予算総額 175億5千万円
新たな利用者負担の導入も
市長は予算説明の中で、新たな試みとして「市民参画型予算編成」を導入し、新たな利用者負担の導入、事業の見直しも含め、28事業について市民の声を予算に反映した、市民の意見、要望をできる限り反映させるとともに、「元気の出る須坂市」の実現に向けて、「産業活性化支援」、「生活安全基盤整備」「教育、人材育成」「社会福祉」「情報発信、想像力強化」を重点とした予算編成を行ったとしています。 |
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私は、平成17年度予算案に対していくつかに疑問点を指摘しながら、原則賛成の立場で討論を行いました。(賛成討論全文) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成17年度歳出予算の概要 (単位 千円 %) |
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新たな利用者負担 児童センター・児童クラブ登録児童 月3,000円 霊園管理手数料 2,000円から3,000円に引き上げ |
私たち「市民21」は昨年11月、新年度予算編成に対する意見と提言を市長に提出しました。その中で、児童クラブと児童センターの有料化について、子育て世代に負担を強いる施策については、保護者の意向等を調査し慎重に検討すべき、と提言しました。しかし、市長は一般質問の答弁で、「厳しい財政状況下にあって、限りある財源をより有効に活用していくことが求められている。これからは「受益と負担」の原則に基づき、利用される方にその一部負担をお願いする」と答えています。また、市民からの意見として、「いまどき無料施設などないものと考えるべき」との意見のほか、わずか3人の賛成意見を取り上げ有料化に踏み切ることはいかがなものかと考えています。 |
完成は12月 墨坂中学校体育館 |
財政状況の悪化により、計画が延期されていた墨坂中学校体育館建設が、国の補正予算の成立により補助を受けられることになり、2月臨時議会で約5億円の建設費が計上されていました。今議会には工事請負契約について提案され原案のとおり承認されました。完成予定は12月17日となっています。バスケットコート2面他、柔剣道場、太陽光発電設備、シャワー設備完備です。 |
岩田修二の一般質問と答弁 要旨 |
●実施計画について(市長答弁) 質問 投資的・臨時的経費に当てる財源が、平成19年度には平成17年度の約半分に設定されているが、推計根拠を伺いたい。 答弁 平成19年度には特別減税が廃止されることにより、地方特例交付金、減税補填債、臨時財政対策債が減額になる。税収はほぼ同額と見込んでいる。歳出については、特別会計への繰出金や扶助費、維持補修費も増となる見込みのため、実施計画に充当できる財源は約半分と見込んだ。 質問 昨年の合併問題住民説明会で理事者は、財政状況は県内の市で2番目に悪い、したがって「財政改革プログラム」により財政改革を進めると説明したが、今回の実施計画とは数字的にかなり違う。どう説明するのか。 答弁 「財政改革プログラム」では歳出総額で示してあるが、実施計画では事業に充当できる一般財源ベースで示してある。したがって、一般財源充当額で比較すると大きな差にはなっていない。財政改革プログラムは平成16年度決算額を見込む中で見直し、公表してまいりたい。 |
●平成17年度予算について(市長答弁)
質問 パブリックコメントによる市民との協働とは聞こえがいいが、単に経費を削減するためだけではないか。 答弁 「参画・協働」とは、市がやるべきことを放棄して市民に押し付けているのではない。ともに考え知恵を出し合って、最小の経費で最大の効果をあげるとともに、市民同士がつながりを取り戻し、誇りをもてる須坂市になると考えている。 質問 新たな利用者負担が盛り込まれ、とりわけ児童センター・児童クラブが有料化されることになっている。子育て世代に負担を強いる施策は慎重に検討すべきと思うが。 答弁 利用者の公平負担を基本に提案した。「いまどき無料施設などないものと考えるべき。ただし、低所得者への配慮は必要」などの意見を組み入れ、より良いものに変えて実施するもの。子育て支援では、組織改正により児童青少年対策の一体的な取り組みが可能となるなど、市民サービスの充実に努めており、費用負担を軽減することだけが支援策ではないと考えている。 質問 何が「元気の出る須坂」応援予算なのか。 答弁 予算には市民との協働による事業が数多く盛り込まれており、このような事業を通じて、市民の皆さんが自発的に展開しようとする事業を市が応援し、市民の皆さんと共に「がんばろう」という気持ちで「須坂を元気に」していきたいと考えている。 |
●組織機構の改編について(市長答弁)
質問 新たに工業課が設置され雇用促進係が設けられる。「雇用促進」とは「労政」の一部分というのが一般的な考え方と思うが、勤労者対策はどこが担当するのか。 答弁 現状は若者が須坂に帰って就職できる状況にない。したがって、雇用促進を前面に掲げ産業振興と連動した中で「須坂市モデル」としての労働施策を進める積極的な意志を示した。 質問 なぜ子育て支援センターと児童センターを別の所管にするのか。 答弁 事業の一部が同じから同じ所管でなければ、とは考えていない。乳幼児期から青少年期までの一貫した施策の実現に向けて、子育て関係窓口の一元化、仮称「子ども課」の設置など総合的な子育て支援組織の見直しを引き続き検討していく。 |
●監査のあり方について(代表監査委員答弁)
質問 行政経験、議員経験ともない監査委員が選任されたのは、須坂市では初めてではないかと思う。これからの監査は、「今後の仕事に役立つものとするなど、機能する監査委員」となるべき。どのような視点で監査を行っているのか。 答弁 地方自治体の役目は、住民福祉を健全に且つ公平に維持していくことにある。したがって、いかに事務・事業が経済的、効率的に行われているか。そして、「住民福祉の増進に最小の経費で最大の効果をあげる」こと「ムダの排除」を監査の視点ととらえている。 |
2月臨時議会での出来事 |
2月15日、16日開催 |
※補正予算 |
臨時議会にもかかわらず、一般会計で5億3,879万8千円の増額補正予算が提案されました。この額は平成16年度補正予算の中でも最も多い額になります。 補正額の主なものは、墨坂中学校体育館改築費4億9,386万円、昨年末からの大雪と低温により、凍結防止剤や除雪費用2,213万2千円、市役所の組織改変により商工観光課がシルキープラザへ移転するための改築費用及び庁舎内の配置換えに要する費用合わせて1,867万4千円です。 庁舎内の配置換えについて、厳しい財政状況にあるにもかかわらず、特に必要を感じない配置換え(庶務課と企画課)まで行われたため、納得できる説明を求めました。私には理事者のわがままとしかうつりません。 |
※正副議長選挙 |
須坂市議会には5つの会派があります。(現在は7会派に再編)会派の分類方法は色々ありますが、今回は議会改革を進めようとする会派(改革会派3派)と、そうでない会派(保守会派2派)の2つに分類します。勢力は、改革会派9人、保守会派15人。ちなみに前正副議長は、改革会派所属。 保守会派は2年前の正副議長選の「二の舞はしない」ことを旗印に、早くから調整工作が始まっていたと聞いています。結果は、臨時会開催の前日(2月14日)に15人による会合が開かれ、無記名投票により、保守会派の正副議長候補が確認されたとの情報が伝わってきました。マスコミ関係者にもこの情報が伝わり、保守会派の結束は固いとの情勢分析も行われました。 改革会派も前日に会合をもち、情勢分析をしながら「密室で正副議長を決める行為は許しがたい。正々堂々と議会改革を訴え正副議長選に立候補すべき」との意思統一を図り、「駄目元」で正副議長選挙に臨むことを確認しました。 議長選挙の結果は、ほとんどの議員が15対9で保守会派の勝利を疑わなかったと思います。選挙結果により保守会派2派が4派に分裂してしまいました。 |
追伸 議会の構成替えにより、私は総務文教委員会副委員長に就任しました。 |
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