平成17年度須坂市一般会計補正予算第3号に対する修正動議の提案説明


ただ今議題となりました、議案第86号平成17年度須坂市一般会計補正予算第3号に対する修正動議について、提出者を代表して提案理由の説明を申し上げます。

 修正動議の内容は、補正予算第3号の総額を5,700万円減額し、36,4481千円とすること。歳入について、款18繰入金、項2基金繰入金の補正額を全額削除、歳出について、款7商工費、項1商工費補正額5,8591千円の内、5,700万円を減額し1591千円とするものであります。

 この予算の内容については、その提案説明や一般質問、委員会審査の中で、「湯っ蔵んど」の集客力強化のため必要な施設整備を行うためとされています。そして、今回の施設整備によって赤字経営から脱却する、赤字を出さないようにする、と市長は答弁されています。更に、来年4長野市若穂にオープン予定の日帰り温泉施設を意識して、湯っ蔵んどの施設整備は緊急の課題だとも説明しています。

 「湯っ蔵んど」の経営についてはは平成16年度決算で5,500万円余の純損失を計上し、損失累計が4,860万円余となり、いわゆる赤字累計が資本金を上回る債務超過に陥ってしまったことは、ご承知のとおりであります。その責任をとる形で前社長、支配人がわずか1年で退任し、5月の株主総会以降新社長が就任されています。新社長は経営改善についての実績があることは承知しているところですが、そのことを即「湯っ蔵んど」にあてはめ、期待し、設備投資まで行うことには疑問を感じるところであります。わずか3ヶ月足らずの間に顕著な改善の兆候が見られているなら話は別ですが、新社長の「湯っ蔵んど」における経営実績を見極めたうえでの設備投資でも遅くはないのではないでしょうか。当面はハード面にお金をかけるのではなく、ソフト面での充実を図ることこそが急務ではないかと考えます。

 ちなみに施設整備の内容を見たとき、あまりにも思いつきの感があり熟慮した整備計画とはとても思えないものばかりです。

 たとえば、下足の問題。今回の計画では、浴室の入口に下足室を移すことになっています。どこの日帰り温泉施設に行っても、お風呂から上がり下足をはいて「くつろぎスペース」でくつろぐところはありません。この種の施設は最初に下足を預けて、館内は裸足で自由に動き回れるようにするのが普通ではないでしょうか。また、歩行風呂についてはまったくちゃちなものといわざるを得ません。客を呼べる施設にするには、もっと規模が大きく、健康管理士や保健師などが常駐して市民に健康生活をアドバイスする仕組みになっていると聞いています。そのほかの改修計画についても、とても緊急に必要性があるとは思えないものばかりです。

 現状の施設を改修することはお金をかければ簡単にできます。「湯っ蔵んど」は建設してからまだ7年、今のままでも十分立派な施設です。今回の提案は、「湯っ蔵んど」建設当時のコンセプトや設計に欠陥があり、全てを否定していることと同じではないでしょうか。今「湯っ蔵んど」に求められていることは、現状の施設をいかに有効に活用し、無駄を省き、サービスの充実を図り、赤字解消への足がかりを作ることだと思います。

 更に財源については、今までに「湯っ蔵んど」施設整備負担分として納入され、公共施設等整備積立基金に積み立てられた一部を取り崩して支出するものであり、税金から支出するものではないことを市民に説明し誤解を与えないようにとの内部通知を出されています。しかし、常識的には一旦市の財政に納められたお金は、須坂市財政全体の中で処理すべきものです。市長は機会あるごとに厳しい財政状況の折、事業を厳選して「あれもこれも」ではなく「あれかこれか」と言うことを市民に訴えておられます。

財政的にみても今回の「湯っ蔵んど」に関わる予算は、「あれもこれも」にしか思えません。財政改革プログラムにも示されているように須坂市には老朽化した公共施設が多く存在しています。とりわけ緊急の課題である小・中学校や市庁舎等公共施設の耐震補強工事、保育所の改修等先にやらなければならない事業が山積しています。

 いずれにしても、今回の「湯っ蔵んど」施設整備に関わる予算については、あまりにも短絡的であり、安易な計画であるといわざる得ません。したがって、当面はハード面に厳しいと言っている財源を当てるのではなく、ソフト面の充実を図り、経営状況改善の実績をまってからでも遅くはないと考え、この部分の予算を全額削除する修正動議を提出するものです。

 本修正動議について、議員各位のご賛同を賜りますようお願い申し上げ、提案説明といたします。


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