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詩人の鐘

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サイレント・
ムーヴィー

みんなのポエム

  詩人の鐘
  

                   省美のポエムをお届けします

      

                                No 97
                                 06.12.16
    
 

   あなただけを見つめて
                      
                         作  省美 


オーロラのような
光りの中で
歌い続ける
あなたを見つめる時

何も考えられず
ただ 立ち尽くす

そこから
すべては はじまり
すべては 終わる

あなただけを見つめて・・・









                                No 85
                                 06.0425
    
 

    花びら
                      
                         作  省美 

咲いたばかりの花びらは
どんなに強い風がふいても
決して散ったりはしない

一年に一度の
その輝きで
誇らしげに咲いている

雨に打たれても
決してひるまない

たった数日間の
そのきらめきに
全ての心を注いで・・・








                                No 83
                                 06.03.21
    
 

    たぎる思い
                      
                         作  省美 

心から
人を愛したことがありますか?

自分の命と引き換えにしてでも
その人を守りたいと
思ったことがありますか?

心も身体も
張り裂けるくらいの
悲しみに出会ったことが
ありますか?

北風が吹いてる
暗い道を
たった一人で、
寂しさに襲われながら
歩いたことがありますか?


自分のために
泣いてくれる人の気持ちを
思ったことがありますか?

自分を叱ってくれて
本当に自分のことを
考えてくれる人に
感謝したことをありますか?


どうか いつの日にか
そういう思いを知ることが出来ますように
そんな自分を
振り返れる日が来ますように

ただひとすじに
私は願います


                                No 81
                                 06.02.18
    
 

    ビルの向こうに
                      
                         作  省美 

ビルの谷間から 
陽が登り
工場の煙突の間に
陽が沈んで行く

大好きだったあの野原には
有名店舗が並び
夕暮れまで遊んだ空き地にも
家の灯りがともっている

海は埋め立てられ
山も開発され
廃棄物の処理場に困惑する

青空が見ていた
時の移り変わり
茜色の雲が見つめていた
高度成長という名の自然破壊

行き着く先は・・・

                                No 78
                                 06.01.07
     

    陽ざし
                      
                         作  省美 

ほんの少しだけ
新春の陽ざしは
暖かさが増していた

その陽ざしは
頬に優しい

優しさに出逢うと
自然に微笑みがこぼれて

そう・・・
あなたに逢えた時のように
心も暖かになる

                                No 77
                                 05.12.17
     

   あなた色
                      
                         作  省美 

あなたが 真紅の薔薇 だとしたら
私は 薄紫のスミレ

あなたが 紫のクレマチス だとしたら
私は 白い朝顔

あなたが 白い蘭 だとしたら
私は 桃色コスモス

あなたが ピンクのシクラメン だとしたら
私は 黄色い福寿草

あなた色に染まりたいけど
染まれない
追いかけても 追いつけない

だけど 心はいつも
あなたのそばに・・・

                                No 75
                                 05.11.19
     

   罠
                      
                         作  省美 

深い深い 地の底
冷たい空気と
登れない土の壁

深い深い 森の中
魔物のうなり声と
木をゆする風の音

そして今度は
深い深い 闇の中

確かなことは 
そこに居るということ

もがいても もがいても
抜け出せない
深い深い 人生の罠の中

                                No 69
                                 05.08.06
    

  真夏の渦  
                作  省美

蝉時雨を聞きながら
熱い風に押されるように
真夏の空へ

砂浜を見下ろしながら
入道雲に連れられて
真夏の海へ

真夏の渦は
ほんの一瞬

終わらないうちに
その輝きの中へ

                                No 68
                                 05.0716
    

   夏の到来  
                        作  省美
             
 
雨上がりの梢を渡る
鳥たちのさえずりが
夏を告げる
 
入道雲が
小鳥達を追いかけるように
湧き上がると
またひとつ
新しい夏との出会い
 
あなたと
めぐりあえた
あの夏の日のように

                                No 67
                                 05.07.02

    悲しい瞳
                      作  省美


悲しい瞳をしていたね

寂しさをこらえて
僕が来るのを
待っていてくれたんだね

その涙を
すべて流したら
新しい日々のはじまり

これからは
僕がいつでも
傍にいてあげるから



                                No 66
                                 05.06.18

    雨の記憶
                      作  省美
                      

雨の季節には
必ず思い出す

中学生になったばかりの
梅雨空の放課後
新しく出来た友だちと二人で
雨が止むのを待っていた

何を話していたのか
すでに記憶にはないけれど
あの時の情景だけが浮かぶ

廊下の窓から、外を眺め
窓に当たる雨の音を聞きながら

私にはもったいないくらいの
お嬢様のような人だった
二年生の時に転校して行ったきり

今はどうしているだろう・・・

雨が呼び起こす
遠い遠い 雨の記憶



                                No 65
                                 05.06.04

  涙は
                      作  省美

 
恋の終わり

今日までの
自分との決別

明日への希望







                                No 70
                                 05.08.20
    

  

  行きます  
                      
                         作  省美 

 
片道分の燃料しか積まず

「行きます」の言葉を最後に

プロペラが回る


愛する人を想いながら

戦禍の中で散った命


「行きます」は

「生きます・・・」

「生きたい・・・」


今も私達の心の中に

                                No 71
                                 05.09.10
     

  君のそばで  
                      
                         作  省美 

君のそばで
新聞を読んで
うたた寝をする

君の隣で
テレビを観て
音楽を聴く

君と一緒に
街に出かけて
同じ景色を見る

君のそばで
何気ない毎日が
幸せに過ぎてゆく

君と一緒なら
何もいらない・・・

                                No 72
                                 05.09.24
     

   荷物
                      
                         作  省美 

沢山の物を
しまってあるんだよ
整理もせずに

引き出しを開けても
どこに何があるか解らなくて

押入れを開けても
なだれが発生しそうで

これじゃあ
本当に必要な時に
すぐに取り出すことは
出来そうもなくて

時間がかかるけど
きちんとしておかないとね

心の中の
引き出しと
押入れ

大切にしないとね

                                No 73
                                 05.10.22
     

   月光
                      
                         作  省美 

孤独な少女に
やさしい光り

月が放つ
不思議な光り

晴れ渡った空の
満月の光り



                                No 74
                                 05.11.05
     

   あなたの愛
                      
                         作  省美 

あなたの愛は
絶対的なものだと思ってた
何があっても
変わることがないって・・・

「疲れてるんだ」
そんな言葉を聞いたのは
初めての気がした

逃げるように
背を向けたその足元から
靴の音だけが響いてた

絶対的なんて
有り得ない・・・

心に重くのしかかる

                                No 76
                                 05.12.03
     

   北風の中で
                      
                         作  省美 

人生が
「もう ツキに見放されたよ」と
けげんな表情

時が
「悪いけど もう君を待てないよ」と
急ぎ足

夢が
「実現は不可能だけど
 もう少し 付き合ってあげるよ」と
微笑んで

それは
北風の中で
語りかけて行くものたち

やっと聞き取れるほどの
かすかな声

                                No 79
                                 06.01.20
     

    朝もや
                      
                         作  省美 

枯れ枝の向こうの
白い朝もやを
見つめながら歩く

それはいつしか
濃い霧に変わり

先の見えない不安に
負けそうになりながら

一体自分がどこにいるのか
解らなくなるほどになっても

いつしか
一筋の光りが見えるまで・・・

                                No 80
                                 06.02.04
     

    雪の女王
                      
                         作  省美 

降っても 降っても
止まない雪は
雪の女王の仕業

遠い北の果てから
冷たい雪を
送り続ける

春が来たら 出番は終わり
百も承知の上での
今だけの自分の仕事

その力を見せ付けるように
その限界を試すように
降り続けさせる

白く 白い 雪

                                No 82
                                 06.03.04
    
 

    一本の樹
                      
                         作  省美 

それは
例えば 浜田省吾ファン という
一本の太い幹の樹に住む

住民の一人一人は
幾千もの枝の中のひとつ

幹から伸びた数え切れない程の
枝から枝へ分かれた枝先のひとつ

高く陽のあたる場所の枝もあれば
低く目立たない所の枝もある

相反するそれぞれの枝は
たとえ朽ち果てても
隣同士になることはない

それでも
それぞれの想いで
それぞれの生き方で
一人ひとりが
その一本の樹の住民

                                No 84
                                 06.04.08
    
 

    本当にこれでいいのだろうか・・・
                      
                         作  省美 

何度も思い悩んだ
何日も考え続けた
でも
結論は出ないまま・・・

本当に
これでいいのだろうか・・・

いつもそこには
迷う自分がいた

そう思いながらも
分岐点を選択し
歩んできた この日々

いつしか
これで良かったと
思えるようになって・・・

あの時の結論は
遥かな時を越えて
今 ここに・・・







                                No 86
                                 06.05.13
    
 

    雨上がりの空で
                      
                         作  省美 


雨上がりの空には
たくさんの出番待ち

虹も
真っ白な雲も
真っ青な空も
太陽までも
自分達の番だと言いたそうに
輝き出す

夕焼けさえも
はずかしそうに
顔を出す


雨上がりの空には
雨が置いていった
雫の輝き

それは
たくさんの希望と
たくさんの夢






                                No 87
                                 06.06.04
    
 

    君の空
                      
                         作  省美 


青空は
君の愛

星空は
君の夢

月明りは
君の真心

白い雲は
君の優しさ

雨の日は
君のためらい

雪の日は
君の勇気


空の
その広さは
君のすべて

空を見上げて
いつも 君の姿





                                No 88
                                 06.06.17
    
 

    金 魚
                      
                         作  省美 


狭い水槽がすべての
金魚

エサを食べ
何を思う・・・

人生の
そのすべてが
変わり映えのしない
水槽の中

追いかけっこをして
何を思う・・・

金魚も生きている
意志を持って生きている

だけど
エサを忘れられても
「お腹が空いた」とは言えない

酸素が不足しても
「苦しい」とも言えない

それでも水槽で
楽しそうに生きている

自分の人生を
しっかりと
生きている




                                No 89
                                 0607.01
    
 

    夏 雲
                      
                         作  省美 


雨に打たれた
紫陽花に
初夏の香り

体育館の歓声に
汗だくの午後

開け放たれた窓から
時折そよぐ 冷風

湿った 蒸し暑い
梅雨の日々は

ひたすら
夏の時を待つ


雨上がりに
夏雲が大きく
張り出したら

それは
学生時代の
輝いていた夏

二度とやって来ない
青春の日々なのに

今年の夏は
あの頃の夏・・・


                                No 90
                                 0607.15
    
 

    いつまでも
                      
                         作  省美 
誰も
その先のことは
予想がつかない

だからといって
何が起こっても
冷静でいられる保証もない

それでも
生きていかなくては
いけないって
あなたの
言葉が伝えてる


何かあっても
明るく振舞まってても
いいじゃない

それが
あなたなんだと
思いたい

「夢を忘れずに
 またいつか会いましょう」

そんな言葉に
励まされて・・・

                                No 91
                                 06.08.26
    
 

    ネコ集会
                      
                         作  省美 

今夜 満月のため 
9時に
ネコ広場において
ネコ集会を開催致します
どちら様のネコも
お集まりくださいますよう
ご連絡致します

  ネコ会長 ネネコより


そんな連絡が
ネコ仲間に広まって
ネコ集会が開催された

たくさんの ネコたちの
ネコ情報が飛び交う中

ちょっとした会話・・・


最近 八百屋の隣の
角の家に
新入りのネコが来たらしいっていうんで
この集会へ誘いに行ったんだけど
あっさり 「行かない」 って言われたんだ

「なんで?」って訊いたら
「なんででも」だってさ・・・

まだ子猫なんだろ?
そうだけど・・・
そのうち来るさ
そうかな・・・


数日後
新入りネコは
そっとネコ広場に行ってみた

集会ではないにしろ
数匹のネコがいて
小さいながらも
めでたく
みんなの仲間入り

                                No 92
                                 06.09.09
    
 

    あなたのために
                      
                         作  省美 

あなたは
あなたのために

私は
私のために

その存在の意味が
あるのだと思う


赤い バンダナが
光る サングラスが
黒い 皮ジャンが

一瞬の 笑顔が
見えない 瞳が
しなやかな 指先が

すべてが
あなたであるために

すべてが
私自身でいるために

そうして
心は惑わされされてゆく

                                No 93
                                 06.09.30
    
 

   三十年
                      
                         作  省美 


三十年のうちの
最初の十年は
あなたのことを
想う余裕がなかった

だけど
あなたのことは
知っていて
レコードもお店で
手に取っていた

でも残念だけど
その時
買わなかった・・・

まだ
あなたが私のことを
呼んでくれなかった・・・からって
思いたい


三十年のうちの
十五年は
あなたのことを想ってた

私には あなたが必要になって
あなたも 私を必要としてくれたんだ・・・って
思いたい

心の奥では
ずっとずっと
あなたに逢える日を
待ちわびていた


三十年のうちの
二十五年目で
初めてあなたに逢えた

逢うのは
遅かったのかもしれない
でも
それが私の人生
あの日でなければ
逢うことが出来なかった

あの日があって
やっと私の人生の意味が
解る気がした


未来に続く その三十年も
ずっとずっと
あなたと一緒



                                No 94
                                 06.10.21
    
 

   今 この地から
                      
                         作  省美 


見渡す景色は
雄大で
青空のその先の
遠くの地まで
見えるよう

今 羽があって
その遠くの地まで
飛べたなら
世界は変わる

ちっぽけな自分は
もう自分じゃなくて
新たな自分

今 この地から
青空の中へ





                                No 95
                                 06.11.04
    
 

   あなたに支えられて
                      
                         作  省美 


誰でも一人では
生きて行けない

あなたに支えられて
生きている


だれでも一人では
何も出来ない

一人ではないから
生きて行ける


そんなあなたに
「ありがとう」と
心をこめて







                                No 96
                                 06.11.25
    
 

   暗闇から
                      
                         作  省美 


暗闇の中で
苦しみながら
あなたを
待っている

気配を感じて
あなたかと思ったけど
それは冷たい

あなたではない
その手は
応えてはくれることはなかった

一筋の光りを
待ちわびて

私の手に
その温かな手が
触れる日まで