最近 植物の根を冷やすと休眠が早まる事が知られて ミカンや花等で 液冷式の高価な 装置が導入されて成績があがっています。 この原理を 日本で最初に実用化して 栽培に応用したのは 当園でないかとおもいます。 ブドウの超早期加温栽培を 盛んにやっていた 昭和54年頃 12月10日前後に被覆した時 休眠不足で ほとんどの木が 障害が出た時に 家の影になる位置にあった木が 完全に 障害を受けずに 正常に発育した経過があり この原因は と考えたところ 家の影の為に 霜が降りても 雪が降っても なかなか融けずに 地面が冷えたままの状態でいる事に気が 付き この状態を 人工的に作ろうと考えて 昭和56年に 地下50cmに10cmのポリパイプ を 50cm間隔に 埋め込み 地上部にファンを 付けて 11月から12月の夜の冷えた 空気を地下に循環させると 根が冷える為 休眠明けが早くなると 考えて 設置しました。 そこにリンゴのつがるを植付け 2年後にハウスを作り ハウスつがるの栽培を始めました。 その結果 休眠が早まり 正常の大きさの花が咲き 生理障害がでずに 立派なりんごが 6月の初めから 収穫できて 5キロ箱 2万円で 取引されて 話題になり 多くの人たちが 栽培を初めましたが ことごとく 3年位で失敗して 撤退しました。 この技術は 当時未公開であったため 他の人達には 気の毒な事をしたと 思っています。 そのおかげで 平成11年迄 日本一早いりんご という事で それなりの収益がありました。 この装置を利用して今まで 試験した結果 リンゴ モモには かなり効果がありますが サクランボには やや効果がおちます。 長野県より北の県では 利用価値がある技術では ないかと思います。 設置費やランニングコストは 液冷式に比較すると かなり安く出来ます。 パイプや中古のファン等を利用すると 10a当たり100万円以下で 楽に設置できます。 当園では 現在 ハウスモモで利用しています。 ちよひめでは 4月25日 日川で 4月30日頃から 安定出荷が出来ます。 今年は 上記のとうり 出荷が 始まりました。 [平成14年4月記] 平成18年より 桃の加温ハウス栽培は 中止して サクランボの鉢栽培に 変更したので 現在は 使用しておりません。 今は このハウスにコテナーのサクランボを配置してあり パイプも埋め戻して跡形もありませ ん。 〔平成21年2月記〕 大塚施設園芸 栽培技術コンサルタント 大塚博美 電話 026−247−4144
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