平成16年 12月定例会

「日本国憲法が危ない」「憲法第9条が危ない」

このごろ、日本国憲法改正の動きが急速に高まっています。昨年暮れの新聞報道では、自衛隊の現役制服高官が憲法改正草案を作成していたことが問題となりました。憲法を改正しようとする人たちの最大の目的は「戦争放棄・戦力不保持」をかかげた第9条を改正して「戦争のできる国」にすることです。

 今日本の各地で憲法9条を守る運動が広がっています。これは昨年6月作家井上ひさし、大江健三郎、小田実をはじめとする9人の知識人が「9条の会」を結成しアピールを発表したことに始まっています。

 須坂市においても昨年10月「憲法9条を守る須高連絡会」が発足し、それぞれの立場での活動が進められています。残念ながら国会における改憲勢力は、自民党、公明党、民主党で国会議員に占める割合は90%以上にもなっています。

 世界に誇れるそして恒久平和を希求する「日本国憲法」を私たちの意志で守り続けなければならないのではないでしょうか。

12月定例議会の報告

12月定例会は、12月1日から21日までの21日間開催されました。12月定例会では、専決処分(議会を開く暇がなかったため、法律の規定に基づき市長が議会の審議を経ないで、予算執行や事業を行うこと)9件、事件決議案6件、補正予算案8件の他請願3件、陳情2件の審査が行われました。

 専決処分の主なものは、職員の手当を人事院勧告にならって減額し、それに伴う予算の減額と、台風23号により被害を受けた箇所の復旧に要する費用3,622万円余を予算化したものです。

要旨

平成17年度予算について(市長答弁)

質問 予算編成方針によると、景気が回復しておらず税収増は見込めない。財政は「三位一体」の改革等で先行き不透明と説明しているが、須坂市の経済情勢をどう判断しているのか。
答弁 製造業は好転、建設業界は受注が厳しい状況、商業はやや回復状況だが厳しい状況、雇用情勢は回復の兆しは見られるものの厳しいと認識している。
質問 国の「三位一体の改革」をどうとらえているか。
答弁 改革の全体像は、約3兆円の国庫補助負担金の削減に対し、約2兆円の税源移譲となっている。しかし、国民健康保険の国庫負担割合の引き下げが柱のひとつとなっており、義務教育費の削減とともに、「三位一体」の改革本来の目的である「地方分権の推進」にはほど遠い内容である。
質問 市民税の動向、国・県補助金の動向、地方交付税の見通しは。
答弁 市民税は、増税が見込める半面減額になる要因もあり、同額程度と見込んでいるが、法人市民税についての予測は難しい。国・県補助金は詳細が決まっていないので国の予算に注目していきたい。地方交付税は総額抑制の方向は変わりない。
財政改革プログラムによる歳出削減計画(市長答弁)
質問 「補助金等検討懇話会報告」の評価とその実現性をどう考えているか。
答弁 外部委員4人により約3ヶ月かけて検討いただいた。報告書では、補助金が抱えている問題点を具体的事例で明らかにし、見直しを進める基準を専門家の立場から提言いただいている。実現性については、すでに担当課では見直し作業に入っており17年度予算に反映できるものは関係団体と調整している。
質問 市長は合併問題住民説明会で財政状況を県内で悪いほうから2位と説明し、市民に危機感を煽った。この説明は「オオカミ少年」の話と同じではないか。
答弁 このまま経常的な支出が増加していくと、新規事業や建設事業を行う財源が不足する現状を説明した。市民参画、協働による新たな事業を展開していくには経常経費の削減が課題。「オオカミ」が現れないことを望んでいる。
市長公約の実現に向けて(市長答弁)
質問 市長は平成17年度予算編成に当たって、市民の意見を聞く「パブリックコメント」を行った。その結果は全てが賛成ではなかったと思うが、批判的な意見をどう処理していくのか。
答弁 反対意見のあった主な事業については、今後も市報等で事業内容を説明するなど、情報公開に努め理解いただけるよう努力したい。
質問 平成17年度予算の重点施策は何か。
答弁 限られた財源を、「元気の出る須坂市」実現のため、「産業活性化支援」、「生活安全基盤整備」、「教育・人材育成」、「社会福祉」、「情報発信・創出力強化」の5つの分野に重点配分する。今後国の動向に注視しながら前向きな予算にしたいと考えている。
災害予防対策について(経済部長答弁)
質問 4箇所に排水機場がある。千曲川増水時の稼動マニュアルはあるのか。
答弁 一定の水位基準により水位が上昇した場合には状況を判断しながら稼動している。これまでは職員の経験や勘等で行ってきたが、今後は学識経験者や河川関係機関、地元の状況に詳しい人たちによる検証委員会を設置し、効率的で科学的な排水システム構築に努めたい。
質問 機場の担当職員は58時間以上も機場に勤務し大変な苦労をしたと聞いている。災害時の応援体制の確立が必要ではないか。
答弁 今後は、全庁の応援体制や外部委託等についても検討していきたいと考えている。

常任委員会の報告

総務文教委員会(所管する部:総務部・消防本部・教育委員会・監査委員会・会計課・議会事務局)

 事件決議3件、補正予算1件、請願2件の審査が行われました。事件決議は、市町村合併により一部事務組合を構成する市町村の変更があるためそれに関係する議案2件、上高井町村会に事務局がある「須高公平委員会」が「町村会」と共に解散することになるため手続き的な議案。

 補正予算の主なものは、歳入では市民税2億円増額、基金からの繰り入れを2億3千万円減額。歳出では、須坂小学校非常放送設備の改修費用200万円、解散する「須高公平委員会」への負担金368万円など。

 請願は、「教育基本法の理念を生かすことを求める」意見書採択の請願と、「自衛隊派遣を延長せず、すみやかな撤退を求める意見書」提出の請願の2件が審査され、挙手採決の結果委員会では4対3で採択されました。

ちょっと一服

「須高公平委員会」負担金? 提出された議案では2005年3月31日で解散することになっています。何なの、とお聞きしたら「昭和29年以前に勤務した職員の退職に伴う町村退職手当組合への精算金」とか。今まで何してたの?

福祉環境委員会(所管する部:健康福祉部・市民生活部)

 条例1件、補正予算3件、請願1件、陳情2件の審査が行われました。条例は、障害者共同作業所の名称の変更に伴う条例改正、補正予算の主なものは、4月から森上・日野地域児童クラブを開設するための施設改修費811万円、スペシャルオリンピックス関連費用200万円、障害者福祉関連費用の増額補正、保育所入所児童の減少に伴う民間保育所への委託料2,471万円減額、古紙・缶類等の売却が可能になったため処理委託料670万円減額、介護保険特別会計9千万円増額など。

 請願は、「人権侵害の救済に関する法律」の制定を求める意見書提出の請願が審査され、私が紹介議員を代表して趣旨説明をしました。結果は共産党議員以外の全員賛成で採択されました。

経済建設委員会(所管する部:まちづくり推進部・経済部・農業委員会・水道局)

 事件決議3件、補正予算6件、請願1件の審査が行われました。事件決議は市道の認定、変更と、農業共済組織市町村の変更に関わる規約の変更です。

 補正予算の主なものは、故障した相之島排水機場の原動機等の修繕費用300万円、共同店舗施設整備補助金800万円など。請願は、継続で審査されている「政府米の買い入れと、備蓄を充実させる意見書提出を求める請願」が審査され、一部採択となりました。

 委員会では、「湯っ蔵んど」の社長、支配人を招いて上半期の事業報告を受けました。結果は、経常損益が2,379万円の赤字、累積でも1,735万円の赤字に転落との報告を受けました。「湯っ蔵んど」では、再建に向け「5ヵ年事業再建計画」をたて5年以内の赤字解消を目標としています。


議員提案により意見書5件を可決(意見の分かれた3件について紹介します)

自衛隊のイラクからの早期撤退を求める意見書

 9月議会に私が紹介議員になって同趣旨の請願が出され、委員会では採択されたものの、本会議で不採択になってしまっています。今回の請願の趣旨は、自衛隊の派遣期限が12月14日で切れることから、派遣延長をしないですみやかな撤退を求めることとしています。

 審査した総務文教委員会では情勢の変化により「早期撤退を求める」内容とし、採択すべきとなりました。本会議では、一部保守系議員の反対はありましたが、賛成多数で意見書が可決されました。私は本会議で賛成討論をしました。  意見書全文  賛成討論

教育基本法の理念を生かすことを求める意見書

 2003年6月議会に同趣旨の請願が出され、2004年3月議会まで継続で審査した結果、不採択になった経過があります。しかし、2004年6月議会で、「教育基本法の改定について慎重審議を求める意見書」を国に提出していることから、本会議において賛成12人、反対11人という小差で可決されました。  意見書全文

「人権侵害の救済に関する法律」の早期制定を求める意見書

 インターネットを使い、被差別部落を特定する悪質な差別文書の書き込み、在日外国人差別、障害者差別、女性差別、ハンセン病元患者に対する宿泊拒否といった差別等、人権侵害が後を絶たないことから、人権侵害を救済する法律の制定を求めるものです。本会議では共産党の反対はありましたが、可決されました。これについても、賛成討論をしました。  意見書全文



 皆様明けましておめでとうございます。日頃は岩田修二に変わらぬ暖かいご支援心からお礼申し上げます。

 彼の登場により市議会は一変し、市政は大きく変わりました。発想が、行動が違います。是々非々を貫き通すことは大変です。しかし、それが彼の信念であります。

 本年もどうぞよろしくご支援お願い申し上げます。

 皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。


2005年1月


  岩田修二後援会長 小森清利

本年もよろしくお願い申し上げます。

須坂市議会議員 岩田修二



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