ポエムリスト
春待ち宵
寒さに疲れて
ぬくもりの傍での
静かな夜
人波の中で
求める
あたたかさは
心に染み入る
やさしさ
もう少しだけ
待てば
あの南風が
髪をなびかせて
くれるから
今だけは
この寒さの中でも
じっとしていられる
No 128 12.03.10
作 省美
ペンギンの脱走
あのフェンスの向こうには
何があるのだろう
青い空は
どこまでも繋がっていそうなのに
僕のいるのは この場所だけ
大人たちが話していた
広い広い
海というのがあることを
僕も見てみたい
海というものを
このフェンス
ジャンプしたら
飛び越えられるかもしれない・・・
いななき
走っても 走っても
1等賞にはなれなくて
芝生の上に
寝転びたくなるんだ
青空はキレイだけど
僕の心は
いつも雲がたれこめて
前足を上げてみても
いなないても
虚しいだけなんだ
1等賞だけを
夢みているのに
どんなに
頑張ってみても
手が届かないんだ
だから
今だけでも
どうか
優しい ひとときを
どうか
静かな 安堵感を
与えてくれないか・・・
No 111
09.01.01
作 省美
No 110
08.112.27.
作 省美
ガラスのハイヒール
かぼちゃの馬車で
舞踏会
ガラスのハイヒールで
ワルツを踊ろう
流れるピアノ
揺れるバイオリン
二人だけのために
奏でてる
走る白馬で
舞踏会
ガラスのハイヒール
壊れないように
そっとささやく
月夜のあかり
二人の未来を
照らしてる
ガラスのハイヒール
片方脱げても
二人を結ぶ
愛の輝き
ウエディング・ベル
真夜中でも
永久(とわ)に誓う
愛のしるし
No 110
08.10.11
作 省美
落ち葉の空間
風に舞う
落ち葉の行く先を見れば
そこには
あの時のわたし
異空間に浮かぶ
戻らない時
「だからね
そんなのは本物じゃないから
やめちゃえばいいんだよ」
あの時のわたしが
友人に言っている
言っているというよりは
命令口調のよう
あの時のわたしは
それが正しいと思ってた
「でも・・・」
友人は困惑気味だった
そうして
あの時に限らず
失ったものは
たくさんになった
そんなわたしから
脱却して
もう一度
ここから始めることが
出来たなら
違う私で
いてみたい
No 108
08.09.09
恋人の小径(こみち)
作 省美
No 107
08.06.21
サボテン
作 省美
No 106
08.03.30
真冬の残像
作 省美
No 103
07.10.21
待ってます
作 省美
No 102
07.07.30
スタート
作 省美
No 100
07.03.04
春 百年
作 省美
巡る春に
百年分の花が咲く
空も
雲も
百年分の輝き
息吹く春に
百回目の花が咲く
霞も
霧も
百回目の煌き
南から春が
百度目の到来
風も
水も
百度光り続けて
No 99
07.02.12
お疲れ様 ゴム
作 省美
疲れちゃったって・・・
ある日突然
袖口のゴムが
伸びきった
それまで
一生懸命に
働いてくれたけど
「もうだめ・・・
これ以上はムリ」って
そういわれてる気がして
お疲れ様
ありがとう
決して
目立つことはなかった
君の活躍
北風から
守ってくれたこと
忘れない
No 98
07.01.02
イノシシの逃亡
作 省美
だって狭い檻の中で
嫌気がさしちまったんだ
人間に連れて行かれた奴は
戻っちゃ来ないし
毎日が息苦しくて
逃亡ぐらいしたくなるさ
自由に走れると思ったけど
硬い道路の上では
ちょっと戸惑った
でも檻のない空間は
最高だったんだ
風が全身を駆け抜けて
そりゃあ気持ちよかった
青空がにこにこ
ほほえんでたように見えた
どうせ はかない いのち
ほんのちょっとでも
そんな体験が出来て
うれしかった
人生最大の思い出さ
No 101
07.05.13
時の住人
作 省美
小雪が舞う中に
たたずむ あなた
風に流れる小雪が
私を 過去へと
いざなう
それは
20年以上前
同じ時期
同じような小雪の中を
大きなお腹を抱えて
病院へと向かった
出産のため
まだ生まれないって思ってたけど
それから4時間後に
無事に生まれた
過ぎてしまえば
あっという間の
20数年・・・
それぞれの時間で
それぞれの生活
成人した息子も
30周年のあなたも
そして私も
同じ時の住人
No 103
07.08.20
成長渦中
作 省美
No 104
07.12.29
誕生日
作 省美
No 105
08.01.26
宿命
作 省美
No 109
08.09.22
作 省美
ここで一句(← 8月の会報 省吾さんのマネです〜 (^_^;))
「赤とんぼ コスモス揺れて あかね雲」
省吾さんのためにもう一句
「カープ球場 赤で満員 彼岸の日」 ((^^ゞ)
No 112
09.02.23
作 省美
No 113
09.04.04
作 省美
No 131 12.06.23
作 省美
ぼくの空
見上げると
青空が続く
あの向こうまで
行ってみたくて
フェンスを越えたんだ
広い海で泳いで
魚も自分で捕った
自由だった
こんな世界があったんだ
でも
でも
寂しかった
自分しかいなかったから
そしたら
またフェンスの中に
戻っていたんだ
だからといって
急にみんなの中に入れなかった
オマエ どこ行ってたんだよ
って言われそうで
怖かった
でも
オレ ひとりで海に行ったんだ
って言ってみたら
みんなが
へぇ〜どんなとこだった?
って寄ってきて話を聞いてくれた
やっぱり仲間っていいな・・・
No 132 12.08.05
作 省美
17歳
8月の太陽に
心 ときめかせ
わきたつ
雲のように
はばたく
青春は
まだ
始ったばかり
No 133 12.09.08
作 省美
大空へ
知っているかい
本当は
あの大空を
飛べるってことを
はばたいたら
風をきって
雲の近くまで
行けるってことを
遠くにある
湖のほとりまでも
行けるってことを
だから
思いきって
はばたくんだ
ひとりでもいい
高くあがって
行ってみたいんだ