2006.1.26  平成18年の幕開け・・・・「脳トレ、筋トレ、それに感トレ・・・・」
 
・ここにきて、少し時間ができたので、先週は二日間、仕事を休みました。映画を二本(「フライトプラン」と「ALWAYS 三丁目の夕日」)見て、日曜日は歩くスキーで戸隠に行きました。携帯で写真を撮ったので添付します。今度、かわら版に掲載していただけますか?。それから、新年メッセージを以下に書きました。タイトルは「魔法のほうきに乗って」です。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・みなさんも、一段落されたようなので、そろそろ「新年会!」と行きますか。昨年は二月十三日に開いているのですね。時の過ぎるのは、何と早いのでしょう。「少年老いやすく学成り難し、一寸の光陰、軽んずべからず」。僕の場合、「少年」を「中年」と置き換えると、自戒の言葉とし身に染みます。脳トレ、筋トレ、それに感トレ(感受性のトレーニング)は、いくつになっても欠かせないことです。不思議なもので、この三つは実は子どもや若いころは、放っておいても優れています。年をとってくればこそ、トレーニングが必要になってくると思うこのごろです。年を取ることは、しかし、マイナスではありません。経験知というものが働いてくるので、むしろ若いころに読めなかった書物がすらすらと読めたり、若いころに感動しなかったことに、鋭く感動したりすることも増えてきます。人生や自然の豊かさが、いっそう味わい深いものに思えてくるのです。そんな境地を目指したいと思います。
 
・人形劇も、そうした人生の潤いの一つになるように、と思っています。人形劇には、脳トレも筋トレも感トレも、入っているでしょう。とくに、感トレの要素が大きいですね。子どもたちと一緒にやりながら、子どもの視線に立てることが、一番の恵みです。ユーミンの歌に「小さいころは神様がいて」というのがあるでしょう。まだ自我が芽生える前の子どもの時代には、神様がいて、「夢中」や「無心」という特権を与えてくれます。自我が芽生えると、もう一人の自分が、夢中や無心の邪魔をします。もちろん、それがなかったら大人になれないのですが。「魔女の宅急便」で主人公のキキが魔法のほうきで空を飛べなくなりますね。そして猫語も分からなくなります。子どものころにはなかったトンボに対する淡い恋や嫉妬心も芽生えます。無邪気に空を飛ぶことなんて、できなくなってしまった。それは、キキが大人になる過程で通過しなければならない試練なのです。キキがそれを乗り越えて、なおかつ空を飛ぶことができたのは、なぜでしょうか?。大人になる過程でも、夢や希望、無心になること、人を信じること、愛することが、できたからです。普通の人は大人になると、ほうきで空を飛ぶことができなくなるのに、キキはそこを乗り越えたのです。キキは大人になっても子どもの心を失わなかった、と言ってもいいでしょう。
 
・人形劇を通じて、キキのように子どもの心を自分の中に蘇らせ、魔法のほうきに乗って、空を飛びましょう!。子どもたちと一緒に、高く、遠くまで、世界の果てまでも飛んでいきましょう!。一座のみなさん、本年も、よろしくお願いします。

 

  

 

       人形劇 マスヤン一座

               −人形劇を通じて、目に見えない「物語りの力」を、

                   子どもたちと一緒に追求しています。

  
 
2006.7.31   「臥竜山物語」保育園夏祭り公演を終えて
 

 公演は無事終わりました。そして、いつものことながら、大成功でした!。


・それにしても、マスヤン一座はどうしていつも土壇場の本番で仕上げてくるのでしょう!。今回、僕は舞台に立たなかったので、ずっと「観客」の立場から見ていました。正直なところ、今回もまた、ぎりぎりまであせりました。仕上がりがいまいち、だったので。しかも、当日は音響セットもなかなか作動せず、「地声で行こう」と、決断した直後、T.G君とN.Tさんが音を間に合わせてくれました。ほっ!!。あれで一気に盛り上がったのでしょうか、本番はばっちり!。子どもたちもぐっと身を乗り出して見てくれましたし、お母さんのなかには「じんときた」と言ってくれた人もいました。公演を見た後輩のY君と奥さんのI.Eさんも、「良かった!」との評価でした。人形遣いも舞台裏のみなさんも、ほんとうにお疲れさまでした!。それから、練習に理解を示し、支えて下さった一座のご家族のみなさんにも感謝申し上げます。













・いったい、人形劇とはなんでしょうか。なぜ、人形劇なのでしょうか。みなさんは、そんなことを考えたことありますか。僕はときどき思います。答えはなかなか難しい。ただ、人形劇をやっていて良かった、と思うときがときどきあります。一つは、子どもの文化に関心を持つようになったことでしょうか。年齢を重ねても、絵本や童話の素晴らしさに素直に感動できる、もっと言えば、あらためて感動できる、というのはなんて素晴らしことでしょう!。


 「幸福の王子」を書いたオスカー・ワイルドは「人生が芸術を模倣する」と言っています。いまの世の中、日本中、醜い、嫌なことばかりです。なぜなんだろう、と思います。それは、美しい物語りを生きたい、と思う人が少なくなったからです。ライブドアの堀江さんにしても、東大を出たヒーローだった。それが、なんで犯罪者になってしまったのか。「お金儲け」だけが彼の人生観になってしまったからではないでしょうか。僕はお金儲けを否定しません。ですが、欲望というのは際限がないものです。美しい物語り、美しい生き方を心の底に持ち続けることの方がずっと大切なことなのです。

 なにかあったとき、心に抱いている物語りや言葉が、必ず、応えてくれます。「答え」ではなく、「応え」です。「答え」は、きっちりと正解が決まっていますが、「応え」はそうではありません。心の中から返ってくる本当の「回答」なのです。マスヤン一座のテーマソング、「とっても大切なもの」の詩を思い出して下さい。「とっても大切な応え」は、いつも、自分の心の中にあるのです。人形劇は、そうした応えを準備する場であり、美しい物語を耕す場だ、と思ってもらえたらうれしいです。生きていれば、楽しいこともあるかわりに、悲しいことや辛いこともたくさんありますね。そんなときに、遠くを見ること、夢見ること、美しい物語を生きることを、忘れたくありません。


 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 



・もう一つ、マスヤン一座に対する思いがあります。一座のメンバーのみなさん、そしてご家族のみなさんは、素晴らしいセンスを持った人たちだと思います。けれども、これから子どもたちが成長するにつれて、いろいろなことがあるでしょう。どこまで、一座が続くのか分かりませんし、ある意味で、先のことなど考えてません。その年、その年、精一杯やればいいし、できなくなったら、止めればいいと思っています。

 ただ、こうなったらいいな、と希望していることが一つだけあります。それは、もし一座が長く続いていたら、座員のみなさんがきれいごとではなく、本音でつきあえるようになったらいいだろうな、ということです。今の時代はどうしても「個」や「家族」に固まりがちです。それはそれで大事なのですが、個や家族だけでは解決できないこと、あるいは狭くなってしまうことがあります。そんなときに、一座が個や家族を超える役割を担ってくれたらくれたらいいな、と思っています。望んでできることではないし、無理をすることではありません。自然にそうなっていけたらいいな、というほどの意味です。


・まだ、九月二日があります!。気をぬかず、次の公演に向けて、頑張りましょう。改善したい点が二、三ありますし。それでは、みなさん、楽しい夏休み、思い出に残る夏休みをお過ごし下さい。マスヤンは、盆休まず、仕事してます。トホホ…。また、会いましょう!。

 

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・ところで、「スーホの白い馬」の舞台がきっかけになり、僕の親しい後輩とモンゴルの女性が結婚しました。昨年九月、志賀高原の山荘でスチントさんの馬頭琴の演奏がありましたね。あの夜の二次会に、僕の後輩のY君と、モンゴルから信大に留学しているI.Eさんを招待したところ、二人は急速に仲良くなり、つい最近、入籍しました。九月には長野市で結婚式を挙げます。司会はマスヤンです。二人に一座のDVDを見せたいと思っています。くしくも、今年はモンゴル建国八百年。「スーホの白い馬」やって良かった!と、しみじみと思うこのごろです。みなさんも二人を祝福して下さいね!


 
  
2006.7.12  急展開!「黒姫物語」から「臥竜山物語」に変更!一気に完成まで・・
           祝福〜!「スーホの白い馬」愛の架け橋〜!
 
・いまのところ、新作の「臥竜山物語」、思ったより、順調に練習ができています。少しだけ、ほっとしています。ですが、まだ仕上げなければならない点がたくさんあります。何度も言ってきましたが、人形劇はもちろん、楽しい「趣味」です。ですが、子どもたちを惹きつけるには、こちら側の完成度を高めていく必要があります。人を楽しませるというのは、大変なことです。真剣勝負で臨まないと、とても感動してもらうところまではいきません。テンションを高め、技術を高め、最高の舞台を目指しましょう!。それで、23日は十時から、一時、あるいは二時まで、特訓します。この日は、なるべく出てきて下さい。一気に完成までもっていきます。よろしくお願いします!。
  
 
2006.6.6  幻の人形劇?「黒姫物語」・・・シナリオ作成秘話?
 
・マスヤン一座もことしで四年目になります。多士済々のみなさんが集って下さっているおかげで、楽しく、ここまでやってこられたこと、心から感謝いたします!。僕は一座のメンバーのみなさんは、とても素晴らしい方々だと、確信しているし、秘かに自慢しています。「うちの一座はすごいんだぜ!」と。ほんとうに、ほんとです。そしてまた今年も公演打てること、とてもうれしく思っています。
 
・さて、今年の公演は「黒姫物語」です。もともと龍を活かそうという、発想で選んだ題目ですが、いざ脚本にしてみると、なかなか手ごわい相手だということがよく分かりました。だれに感情移入をするか、なかなか難しいからです。 
 
 
 
 
 
 
 
   
・「黒姫物語」は、北信濃に伝わる伝説です。僕も小さいころ、父から聞かされた覚えがあります。この話は、昔から日本に伝わる二つの基本的な伝説・物語の構造をそのまま伝えています。
 
 その一つは、人身御供(ひとみごくう)伝説です。昔の人は、自然を神とあがめていました。自然の神は荒々しく、人間界のコントロールなどききません。その一方で、豊かな恵みももたらしてくれるのです。神が荒れて、猛威を振るい、天変地異が起きると、人々は何とか神に許しを請いました。それが、神に人間を捧げる「人身御供」です。日本書紀にも出てくるし、世界中の神話にもでてきますね。大事なことは、本当にあった、ということです。それくらいしないと、自然の荒々しい神は人間の言うことなど聞いてくれなかったのです。「黒姫物語」には、古代から伝わるこうした儀式・伝説が、色濃くにじんでいますね。
 
 「黒姫物語」のもう一つの特徴は、異類婚姻譚(いるいこんいんたん)と呼ばれる物語です。異類婚姻譚とは、人と動物が結婚する物語、という意味です。黒姫と龍は異類です。例えば、鶴女房なども異類婚姻譚の典型です。これらの話は、自然界と人間界の対立、交換、和解を表しています。自然界は荒々しく制御不能ですが、半面、豊かな恵みをもたらしてくれる。これと人間界が交流することで、いっそうの富が生み出されると、昔の人は考えました。人間と動物との結婚話は、日本だけでなく東南アジアなどにも広く分布しています。
 ところが、西欧の異類婚姻譚は、人間が結婚する相手は魔法の力で動物に変えられた「元人間」という図式が多いといわれています。これは心理学者の河合隼雄さんの指摘です。西欧では、人間が結婚する相手はあくまで人間なのです。自然界と結婚するなどということは、とても野蛮な考えだと、西欧の人たちは考えていたようです。日本をはじめとするアジア諸国では、自然と人間との敷居はとても低く、自然は友であり、ときに結婚相手でもあるのです。
 
 さて、「黒姫物語」です。この話は、人身御供伝説と異類婚姻譚という、二つを組み合わせていますね。なかなかよくばりで、興味深い伝説といえるでしょう。「黒姫物語」のお姫さまが気の毒なのは、人身御供だからです。自然の神は一方的で妥協を許しませんから。それなのに、どこか恋愛ものの香りがするのは、異類婚姻譚だからです。この二つの正反対ともいえる要素が絡まっているから、やっかいなのです。どちらに力点を置くかで印象が違ってくるでしょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 今回の脚本は婚姻譚に、少し重点を置いた物語にしてみました。姫と龍を相思相愛というレベルにもっていく、ということです。原作に対して「龍が一方的で姫がかわいそう」との感想がありました。しかし、本当は自然の神は一方的で絶対的なのです。だから、本当は「黒姫物語」の姫は一方的な犠牲者なのです。
 
 ですが、ここはもっと現代的な味付けをして、婚姻譚・恋愛ものの色合いを濃くしてみました。評価が分かれるかもしれません、ほんとうの「黒姫物語」と違うじゃないか、と。でも、実験です。男と女のルールというもの、人と人とのルールというもの、を意識して脚本化してみました。みなさんは、どうお感じになりましたか。
 
 この新作「黒姫物語」は、どこに感情移入したらよいでしょうか。重要なポイントは、龍の姫に対する一途な思い、です。ここははずせません。「主人公は龍だ」と、考えて下さい。もう一つは、姫の龍に対する愛情、父との間で悩む心の葛藤(かっとう)、そして民を思う広い愛です。姫の心を演ずるのは大変難しいところです。三つ目は、父の娘への思い。これは当然かもしれませんね。そして、原作にないばあやを登場させたのは、龍と姫というあり得ない組み合わせが結ばれるとき、一方的にならないために、仲介者が必要だったからです。 
 
 公演は、龍の姫に対する一途な愛、男の純情といってもいいかもしれませんが、太い線で描いてほしいものです。そして、あくまで龍は人間の姿をした神であるという視点を大事にして下さい。ものすごくパワーのある神が、一人の女性のために礼節と誠意を尽くす物語です。男の子たちに教えてあげましょう!。 
 では、本番に向けて、頑張りましょう!。 

 

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